【皇后杯】京川舞が延長戦の2ゴールでINACを決勝に導く。後輩に受け継がれた澤穂希のメンタリティ

2016年12月24日 サッカーダイジェスト編集部

「澤さんが苦しいときに走って点を取る姿を見てきた」

松田監督から「スタートから出るべき力はある」と評される。この日は途中出場も、勝負強さを見せた。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

[皇后杯準決勝]ベガルタ仙台レディース 1EX3 INAC神戸レオネッサ/2016年12月23日/味の素フィールド西が丘
 
 第38回皇后杯、昨年王者のINAC神戸レオネッサ(以下、INAC)は、ベガルタ仙台レディース(以下、仙台L)と準決勝で対戦。延長戦にもつれた試合を苦しみながらも制し、決勝への切符を掴んだ。
 
 15分に幸先良く先制したINACだったが、その後、仙台Lの2トップをターゲットとした力強い攻撃に圧され、押し込まれる展開が続く。試合終盤の84分には、セットプレーから仙台Lに同点ゴールを許し、試合は延長戦へともつれた。
 
 延長戦になっても、追いついた勢いのまま攻め立てる仙台Lの優位は変わらない。しかし劣勢のなか、60分から途中出場していた京川舞が大仕事を果たす。
 
 延長前半、102分。左サイドを抜け出した増矢理花からのクロスを、鮮やかなヘディングシュートでゴールに叩き込み、待望の追加点をゲット。
 
 さらにその6分後、エリア内をドリブルで突破した中島からパスを受けると、ダイレクトで冷静にダメ押しゴールを流し込み、勝利の立役者となった。
 
「左サイドをやることが多いが、FWも中盤もでき、いろんな変化に対応できる」(松田岳夫監督)京川は、この日はいつもより下がり目のインサイドハーフとしてピッチに立った。
 
「流れが変われば」という気持ちで試合に入った京川だが、投入直後こそ浮足立っていた印象があった。それでも延長戦では、本来のポジションとは違えど、ゴール前に飛び出し得点を奪った。
 
 劣勢で迎えた延長戦という苦しい状況下でも、持ち味を如何なく発揮し、チームを勝利に導く活躍。京川は「澤(穂希)さんが苦しいときに走って点を取る姿を見てきた。そういう形で点を取れて嬉しい」と先輩の名を挙げ、ゴールを喜んだ。
 
 昨年の同大会での決勝、78分に劇的な決勝ゴールを決めたレジェンドは、優勝カップを置き土産に引退。だが、その強い精神力は、後輩の京川にしっかりと受け継がれているようだ。
 
 INACを連覇に導けるか。12月25日の決勝戦でも、京川に受け継がれたメンタリティが鍵となるかもしれない。
 
取材・文:多田哲平(サッカーダイジェストWEB編集部)
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