「夢生くんにはもっと“お返し”してほしい」鈴木優磨が尊敬する先輩にさらなる強気注文

2016年12月15日 白鳥大知(サッカーダイジェストWEB)

先輩から待望の“お返し”がきたが…。

この日はアシストをしてくれた金崎(左)とは、最高の関係を築けていると語った鈴木(右)。だからこその「注文」だった。(C)REUTERS/AFLO

[クラブW杯準決勝]アトレティコ・ナシオナル 0-3 鹿島アントラーズ/2016年12月14日/吹田スタジアム
 
 鈴木優磨の歓喜の瞬間は、ピッチに立って1分後、ファーストタッチでいきなり訪れた。
 
 85分、右サイドを突破した金崎夢生からのグラウンダーのクロスを、ファーサイドで飛び込んで左足で押し込んだのだ。
 
 自身にとっての嬉しいクラブワールドカップ初ゴールは、鹿島アントラーズにとってのこの日3点目。昌子源が「あのゴールで本当に勝てると思った」と認めた通り、南米王者アトレティコ・ナシオナルの息の根を止める文字通りの駄目押し弾だった。
 
 プロ2年目で20歳の鈴木にとって、7つ歳上で日本代表や海外リーグの経験もある金崎は、「盗めるところがいっぱいある」と尊敬してやまない先輩。しかし、12月3日の浦和レッズ戦(Jリーグ・チャンピオンシップ決勝第2戦)では自らファウルを受けて奪ったPKを"横取り"された相手でもあり、12月11日のマメロディ・サンダウンズ戦(クラブW杯準々決勝)ではクロスからアシストした後、「夢生くんのお膳立てはもういい。そろそろ返してほしい」とニンマリしていた。
 
 そしてこの日、金崎からついに"お返し"がきた。しかし、それでも「まだ足りないっすね、俺はもっとアシストをしている。まだ1本なんで(笑)。(本人とは)そういう話もしました」と再び嘯いた。
 
 とはいえ、「(今日のアシストは)感謝している」と語り、ゴール後はお互いに満面の笑みで両手を重ね合わせた金崎とは、最高の関係を築けている。
 
「夢生君とはお互いに分かり合えているし、すごくやりやすい。良い関係です」
 
 開幕戦こそ出番はなかったが、準々決勝と準決勝では終盤に途中投入され、前者ではアシスト、後者ではゴールを記録。左足捻挫の影響で3戦連続ベンチスタートながら2ゴール・1アシストを記録している金崎とともに、"ダブル・スーパーサブ"として結果を残してきた。
 
 12月18日の決勝の相手は、12月15日のレアル・マドリー対クラブ・アメリカ戦の結果次第だが、「レアル・マドリーが来てくれなきゃ困る。レアル・マドリーに勝って、日本のサッカーも成長してるんだってことを見せ付けたい」とこちらもブレない強気なコメント。世界中が熱視線を送るファイナルでも、目が離せないストライカーだ。
 
取材・文:白鳥大知(サッカーダイジェストWEB)

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