【EL】内田、1年9か月ぶりに復帰! 南野の決定的なシュートを防ぐ場面も

2016年12月09日 サッカーダイジェストWeb編集部

攻撃ではSBらしい機を見たオーバーラップも披露してみせた。

84分、ついに待ち望んでいた瞬間が訪れた。長い苦しみの時を経て、再びピッチに戻ってきた内田。失われた時間を取り戻すための新たな戦いが始まった。 (C) Getty Images

 12月8日(現地時間)、ヨーロッパリーグ(EL)のグループステージ最終節が行なわれ、シャルケはレッドブル・ザルツブルクに0-2で敗れた。
 
 シャルケはここまで5連勝で早々に次ラウンド進出を決めており、一方、ザルツブルクは前節でグループステージ敗退が決定。つまりこの一戦は消化試合であり、実際に両チームは直近の試合からメンバーを入れ替え、十代の選手も多くスタメンに名を連ねた。
 
 そんななかで注目を集めたのが、昨夏に右膝蓋腱の手術を行ない、長く戦列を離れていた内田だ。昨年4月(ブンデスリーガ・フライブルク戦)以来となるベンチ入りを果たした彼が、この試合でピッチに戻ってくるのか、そしてどのようなプレーを見せるかは大きな興味でもあった。
 
 試合は、開始からしばらくはアウェーのシャルケが攻勢に立つが、ザルツブルクはプレッシングを強めて主導権を奪い返す。そのきっかけとなるファーストシュートを8分に放ったのは、南野だった。
 
 南野は前線でよく動き、自らゴールを狙うだけでなく、17分には味方が前線で奪ったボールを受け、ラザロに決定的なパスを通すなど、チャンスメイクでも効果的なプレーを披露した。
 
 先制ゴールは、躍動するホームチームにもたらされた。右サイドからの攻撃から、ラザロのスルーパスを受けたシュラーガーが、左側の角度のない位置からゴールネットを揺らした。
 
 その後もザルツブルクはペースを握り続け、28分にライナー、36分にシュラーガーが惜しいシュートを放つ。対するシャルケは、効果的な攻撃が見せられず、アブディジャジ、コノプリャンカらが時折、遠めからシュートを放つに止まった。
 
 後半、最初にチャンスを掴んだのはシャルケ。56分に縦パスでレーゼが抜け出したが、シュートはGKスタンコビッチにセーブされる。
 
 以降、ザルツブルクもやや動きの量が落ちたことで、試合は長く膠着状態に入る。両チームともに流れのなかでチャンスを生み出せないまま、69分、シャルケは右サイドからのFKにアブディジャジがヘッドで合わせてクロスバーを叩くという惜しい場面を作り出した。
 
 ザルツブルクは76分、抜け出した南野がGKギーファーをかわしてゴールに流し込んだが、これはオフサイドの判定。その後も大きな見せ場もないまま、試合は終盤を迎えた。
 
 そして84分、リーターに代わって、ついに内田がピッチに立つ。昨年3月のチャンピオンズ・リーグ、レアル・マドリー戦以来、実に1年9か月ぶりの復帰を果たした彼のファーストプレーは、右サイドからのロングスローだった。
 
 その後、主に最終ラインに陣取った彼は、89分にはマーカーを切り返しでかわした南野のシュートをゴール前でブロックしてピンチを防ぎ、攻めてはSBらしい機を見たオーバーラップで相手陣内深くまで入り込んでチャンスを生み出そうとした。
 
 試合はアディショナルタイム、シャルケがCKでの同点を狙い、GKギーファーも相手ゴール前に迫ったところで逆にカウンターを食らい、ラドシェビッチにダメ押し点を許して敗北。グループステージを全勝で終えることはできなかった。
 
 シャルケは今シーズン、ブンデスリーガでは開幕5連敗という最悪のスタートを切ったが、その後は公式戦12試合連続無敗(10勝2分け)と凄まじい上昇曲線を描いてきた。
 
 しかし直近の試合では、先週末のライプツィヒ戦に続いて敗戦。このタイミングで復帰を果たした内田が、再びシャルケに勢いをもたらすことができるか。リーガ、ELともに楽しみな要素が増えたと言えよう。
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