【伝説のクラシコ】マドリディスタを脱帽させた、圧巻の「ロナウジーニョ劇場」――05年11月19日

2016年12月02日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

耳を疑うような拍手がスタジアムを包んだ。

S・ラモス(左)を手玉に取り、衝撃的な2ゴールを叩き出したロナウジーニョ。このクラシコの9日後、2005年のバロンドールに輝いた。(C)Getty Images

 バルセロナの"ファンタジスタ"ロナウジーニョの独壇場となったのが、レアル・マドリーの本拠地サンチャゴ・ベルナベウで開催された2005年11月19日のクラシコだ。
 
 サミュエル・エトーのゴールでバルサが1点をリードして迎えた58分だった。同点を狙うR・マドリーのデイビッド・ベッカムのクロスを、CBラファエル・マルケスがクリア。このボールを拾ったMFデコが、左サイドのロナウジーニョへ絶妙のパスを送ると、この10番が圧巻のプレーを見せる。
 
 対峙したセルヒオ・ラモスを一瞬で抜き去ってエリア内に侵入すると、イバン・エルゲラもかわして右足を一閃。GKイケル・カシージャスのニアを抜く鮮やかなシュートを突き刺したのだ。
 
 この追加点のリプレーを見るかのようなゴールが生まれたのは、78分だ。再び左サイドでボールを受けたロナウジーニョが軽やかなステップでS・ラモスを振り切り、そのまま持ち込んで3点目を奪うのだ。
 
 耳を疑うような拍手がスタジアムを包んだのは、その直後だった。なんとR・マドリーのサポーターが、2得点を挙げたこのブラジル代表FWに対してスタンディングオベーションを捧げたのだ。
 
 このクラシコから10年後の2015年、ロナウジーニョは当時を振り返り、「最大のライバルのファンからスタンディングオベーションを受けるという喜びを味わった選手は、ほとんどいないだろう」と誇らしげに語った。もっとも、「試合中は拍手に気がつかなかった」という。
 
 宿敵のサポーターをも脱帽させたロナウジーニョの2ゴールは、今も語り草になっている。
 
※『ワールドサッカーダイジェスト』2016年11月17日号の記事を加筆・修正
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事