ユーベ行き希望のヴェッラッティだが、恩師率いるあの超名門に誘われれば…

2016年11月26日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

新天地で心機一転を図りたがっている。

ヴェッラッティが望む移籍先のファーストチョイスはユベントス。しかし、バイエルンは侮れない存在だ。 (C)Getty Images

 パリSG所属のイタリア代表MF、マルコ・ヴッェラッティは母国復帰を考え始めている。
 
 2012年7月18日にペスカーラからパリSGに移籍してから、今まですでに5回も契約を更新。とくに今年は2月に2020年まで、8月にはさらに1年期限を延ばしたうえで、年俸も700万ユーロ(約8億4000万円)までアップする新契約にサインした。
 
 しかしヴェッラッティ本人は、パリでの5年目となる今シーズンを最後に、新天地で心機一転を図りたいという気持ちが高まっているようだ。
 
 ピッチ上で最大の持ち味である頭の回転の速さと閃きが影を潜めているのも、その明らかな兆候だ。常に手厳しいフランスのマスコミとやり合うことも少なくない。
 
 最も有力な目的地はユベントス。子供の頃はユベンティーノで、アレッサンドロ・デル・ピエロがアイドルだった。信奉するもうひとりのプレーヤー、アンドレア・ピルロもキャリアの終盤をユーベで送っており、その系譜に連なる司令塔としてビアンコネーロのシャツを着るというのが、本人が最も望んでいるキャリアパスであることは間違いない。
 
 とはいえ一旦移籍となれば、激しい争奪戦が起こることは避けられない。イタリアではミランとインテルも動向を注視している。
 
 そして、ダークホースとして侮れないのが、来夏で契約満了を迎える35歳のシャビ・アロンソの後継者を探すバイエルンだ。
 
 監督のカルロ・アンチェロッティは、彼をペスカーラからパリに呼び寄せ、手厚い保護下に置いて選手としてだけでなく人間的な成長も助けた。この"育ての親"が獲得に乗り出せば、ヴェッラッティが「NO」と言うのは簡単ではないだろう。
 
 イタリアのクラブにとって700万ユーロという年俸はタブーに近いが、バイエルンならば……。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
 
※当コラムではディ・マルツィオ氏のオフィシャルサイトにも掲載されていない『サッカーダイジェストWEB』だけの独占記事をお届けします。
 
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かして幅広いネットワークを築き、「移籍マーケットの専門記者」という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にジョゼップ・グアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。
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