【CS準決勝】「結果がすべて」と肩を落とした中村憲剛。喪失感に苛まれながら絞り出した言葉は…

2016年11月23日 本田健介(サッカーダイジェスト)

「周りはみんな良い環境を作ってくれた」

この日は21分に登場し、決定機も迎えた中村。しかし、チームを勝利に導くことはできなかった。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

[Jリーグチャンピオンシップ準決勝]川崎0-1鹿島/11月23日/等々力
 
 浦和の待つCS決勝への切符を懸けた一戦で、試合前に配られたスタメン表に背番号14の名前はなかった。足の状態が万全ではなかった中村憲剛はベンチで仲間たちの戦いを見守り、自らが必要となる時を待っていた。
 
 しかし、その時は予想外に早く訪れた。試合開始21分、1トップで先発した長谷川竜也が、ロングボールに走り込んだ際に足を痛め、プレー続行が不可能となったのだ。
 
 風間監督の頭のなかには、勝負所で中村を起用するプランがあったはずだ。だが、序盤から鹿島の激しい守備に苦しめられたチームを目にしたためか、チームの絶対的司令塔の投入を即座に決断した。
 
 中村は負傷の影響もあり、珍しくパスミスが目立ったが、1点ビハインドで迎えた59分には見せ場を作る。三好康児からのスルーパスを受けると、ペナルティエリア内で昌子源のスライディングを華麗にかわし、右足を一閃。シュートは左サイドネットに外れたが、1点を追うチームを力強く鼓舞した。
 
 その後も幾度となく前線にボールを供給し、攻撃を支えた。しかしスコアは0-1のまま動くことなく敗戦。試合後、中村は肩を落として、率直な想いを語った。
 
「自分がシュートを外して、いや外してというよりか決められるところで決められなかったので、そこだけです。周りはみんな良い環境を作ってくれましたし、結果がすべてなので……。今は喪失感が大きくてコメントできないです」
 
 クラブ在籍14年目、今季こそはと臨んだ初タイトルへの挑戦は再び阻まれた。しかし、まだ天皇杯の戦いが残っている。「大きく成長できた」と話してきた風間体制でのラストチャレンジにすべてを懸けてほしい。
 
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部) 

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