CS準決勝に臨む風間監督が5年を振り返って「非日常が日常に変わった」。その心は――

2016年11月23日 江藤高志

「歴史を背負ってサッカーしていない」と無冠の過去との決別を期する

風間監督がチームを率いた5シーズンを振り返り、選手の技術向上を評価。チームはいよいよ集大成を迎える。(C) SOCCER DIGEST

 チャンピオンシップ準決勝・鹿島戦を翌日に控えた22日の練習後、風間八宏監督が報道陣の取材に応えた。大事な試合に向けてのコメントを求められた風間監督は、冒頭、成長してきたチームについて「非日常だったのが、やっと日常になったという(なかで迎える)1試合だと思います」と表現した。
 
 その言葉が意図するところはこうだ。川崎に就任した当初、風間監督が求めていた到達点は、技術的に非日常の水準にあったということ。それが日々の練習による技術の向上の結果、日常的な技術水準のところにまで到達できたということだ。
 
 すでに今季限りの退任が発表されている風間監督にとって、ここからのチャンピオンシップは集大成的な位置づけになる。その点について聞かれると「まだあまり(実感としては)湧いてないですが」と話しつつも、「でもちょっと振り返ったりすると、非日常が日常に変わった。ということは、日常がだいぶ変わりましたよね」と述べている。
 
 すなわち技術水準の高いプレーが日常的に見られるようになったということ。その結果として「彼らが自分たちにすごく期待するようになった。それぞれが自分に期待するようになった」とし「そしてどんどん強いチームになっていく」と話している。
 
 その結果がチャンピオンシップ進出という成果とし表われており、ここまでたどり着いた選手たちに対し「本当に彼らの努力はすごいと思います」と賞賛の言葉を述べている。
 
 悲願の初タイトルに向け、攻撃的なサッカーで頂点に立つというイメージはあるのかを問われると「ぼくは自惚れ屋でも、強気でもないので。ただ、最初(の頃)とはまったく違うチームになりました」と謙遜しつつも、チームの成長を口にし、さらに「我々は歴史を背負ってサッカーしている訳ではない」として、タイトルを目前に敗退を繰り返してきた過去は関係ないと言い切った。
 
 タイトル奪取のため「このチームのベストを。(ベストだった)先週よりもひとつ上のベストを見せたい」と口にし、「選手が集中してくれれば」自ずと結果はついてくるのではないかと鹿島戦を見据えていた。
 
取材・文:江藤高志(川崎フットボールアディクト編集長)
 
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