“ニュー・バロテッリ”と謳われるユベントスの驚異の16歳ケアンとは!?

2016年11月21日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

バロテッリにも喩えられる圧倒的なパワーとスピード。

セリエAデビュー戦で力強いドリブルを披露し、ホームスタジアムを沸かせたケアン。今後のさらなる成長に期待がかかる。(C)Getty Images

 ユベントスに所属するひとりの若獅子が、一躍脚光を浴びた。その若獅子とは、2000年2月28日生まれの16歳のFW、モイセ・ケアン。セリエA13節のペスカーラ戦だった。3点のリードで迎えた84分、マリオ・マンジュキッチと交代でピッチに送り込まれ、初出場を果たすのだ。16歳8か月と19日でのセリエAデビューは、ユーベのクラブ最年少記録。欧州4大リーグで初めて出場した2000年生まれの選手となった。

 ちなみに4大リーグ以外の2000年生まれの選手では、昨シーズンにセルティックのFWジャック・エイチソン、今シーズンは9月にメスのFWヴァンサン・チルが、それぞれトップリーグデビューを果たしている。彼らに先を越された格好のケアンだが、よりコンペティティブなセリエA、しかもユベントスという超名門クラブで快挙を達成した意味は大きい。インパクトも絶大だった。

 コートジボワールにルーツを持つケアンは、アスティやトリノのユースチームを経て、2010年にユーベの門を潜った。今夏に飛び級でプリマベーラ(U-19)に昇格。2節から3試合連続ゴールと躍動した。この活躍がマッシミリアーノ・アッレグリ監督に認められ、10月半ばからトップチームに帯同。勝利がほぼ確定していた13節の終盤に、ついにセリエA初舞台を踏んだのだ。

 182センチの恵まれた体躯に圧倒的なパワーとスピードを搭載。柔軟な足技やゴールへの並々ならぬ執着心も際立つケアンは、かねてからマリオ・バロテッリ(ニース)に喩えられてきた。ペスカーラ戦では出場時間が少なくボールタッチは少なかったものの、終了間際にキレのあるドリブルで敵を翻弄するなど、さっそく才能の片鱗を見せている。

 ミランでは昨シーズンに同じく16歳でデビューしたGKジャンルイジ・ドンナルンマが、すでに不動の守護神としてゴールマウスに君臨。18歳のMFマヌエル・ロカテッリも常時スタメンに名を連ね、故障離脱した主将リッカルド・モントリーボの穴を埋めている。若手の台頭が光る昨今のセリエAに彗星のごとく現われたケアン。今後、ユーベでいかなる成長曲線を描くのか。
 
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