【清水】J1昇格&得点王獲得に鄭大世が歓喜の涙。「この1年はほんとにきつかった」

2016年11月20日 橋本啓(サッカーダイジェスト)

「毎晩この試合を戦っている夢を見てきて、勝つときも負ける時もあった」

J1昇格を決め感極まって涙した鄭(9番)は、キャプテンの大前と喜びを分かち合った。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

[J2・42節]徳島1-2清水/11月12日/鳴門大塚

 徳島戦で勝利すれば昇格が決まる清水は、犬飼智也と金子翔太のゴールで大目標だった1年でのJ1復帰を決めた。

 試合終了後、感極まりピッチで涙した鄭大世は、2位の都倉賢(札幌:19ゴール)を大きく引き離す26ゴールで得点王を獲得。チームのJ1昇格とともに二重の喜びに浸った。

 この日は得点こそ奪えなかったものの、1-1の同点で迎えた73分に金子の決勝点をアシスト。前線で確かな存在感を示したストライカーは、チームが掲げてきた目標を達成した心境について尋ねられると、「きつかった。この1年はほんとに」と、目に涙を浮かべながら感慨に耽った。

 前節の岡山戦まで7試合連続ゴールを決め、心身とも充実感を覚えていた。ただ、J1昇格が決まる大一番となると、自然と重圧が降りかかってくる。とりわけこの1週間は、極度のプレッシャーに晒されていたと明かす。

「自分がエースという立場で、7戦連続でゴールを決めていた。ボールが集まってくるし、決めなきゃ絶対駄目だと思っていた。そういうプレッシャーのなかで、毎晩この試合を戦っている夢を見てきて、勝つときも負ける時もあった」

 ただ、そんな苦しさを解いてくれたのが、敵地にもかかわらず大挙して駆け付けたサポーターの存在だった。

「スタジアムに入った時に、清水エスパルスのサポーターの数を見て、不安が(勝利の)確信に変わりました」

 案の定、苦しみながらもチームは勝点3を得て、来季にJ1のステージで戦う権利を掴んだ。

「今のままの実力では来年も残留争いするレベルだと思うので、J1でも戦えるようなレベルになるように今から切り替えていきたいです」

 喜びも束の間、頼れるストライカーは早くも来季の戦いに照準を合わせていた。

【徳島 1-2 清水 PHOTO】金子の決勝弾で清水が1年でのJ1復帰!

取材・文:橋本 啓(サッカーダイジェスト編集部)
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