シャルケ、開幕5連敗から怒涛の巻き返し! 間もなく復帰の内田篤人はどう絡む?

2016年11月19日 中野吉之伴

最悪のスタートを切るも、ブレない姿勢でV字回復を果たした。

間もなく復帰と見られる内田の存在が、好調シャルケにとってさらなる追い風となるか。写真は昨年2月のボルシアMG戦。 (C) Getty Images

 シャルケのファンは「またなのか……」と頭を抱えたことだろう。
 
 チーム作りの根幹となるチームマネジャーのポジションに、マインツで長年にわたり、質実で効果的な仕事をしていたクリスティアン・ハイデルを、監督のポジションにはアウクスブルクで結果と内容の両立を果たしていたマルクス・ヴァインツィールを迎え入れた。
 
 万全を期した、はずだった。
 
 今シーズンこそ、という思いはどこよりも強かったはずである。
 
 ところが、開幕からまさかの5連敗スタート……。
 
 組織的で積極的な守備と、躍動感のある攻撃。やろうとしているサッカーが悪いわけではない。どの試合でも、最初は主導権を持って試合を運び、ゴールチャンスも少なくなかった。
 
 だが、終わってみると手元には勝点が残らない。勝てないと選手は焦り、自信をなくしてしまう。悪循環の沼にどっぷり沈み込んでしまった。
 
 それでも、ヴァインツィール監督とハイデル・マネジャーはブレなかった。
 
 うまくいかない状況から問題を分析し、取り組むべきことを明確化。チームにしっかりとした方向性をもたらした。
 
 ヴァインツィール監督は、「スタートダッシュ失敗は、もちろん心地良いものではなかった。だが、そこから自分たちのミスを学び、やらなければならないことへの決意を固めることができた」と振り返る。
 
 例えば、FWから積極的な守備を展開するために、長年シャルケの攻撃を支え続けてきた元オランダ代表のクラース=ヤン・フンテラールをスタメンから外すなど、名前や実績ではなく、純粋にクオリティーを求め続けた。
 
 第6節のボルシアMG戦で4-0の快勝。ようやく今シーズンのリーグ初勝利を挙げると、少しはクラブに落ち着きが戻ってきた。
 
 そして第8節のマインツ戦で3-5-2システムが採用されると、これがはまった。
 
 ヴァインツィール監督も、「自分たちの仕事のひとつは、ベストに機能するシステムを見つけ出すこと。3-5-2だと、自分たちの長所を守備でも攻撃でも最大限に発揮できる選手が揃っている。重要な一歩だ」と手応えを掴んだ。
 
 特に際立った強さを見せているのが、直近6試合でわずか3失点という守備力。3失点の内訳も、PKでの2失点とオウンゴール1点というもので、流れのなかからは点を取られていない。
 
 ベネディクト・ヘーベデス、マティヤ・ナスタシッチ、ナウドの3人は、互いの長所を最適に補完し合い、相手に全く隙を与えない。

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