「放出候補」から「不可欠な戦力」へ。ギグスも絶賛する躍進リバプールの“陰のキーマン”とは?

2016年11月18日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

ララーナが途中出場した60分以降は、攻撃のリズムが一変。

ここまでリーグ戦3得点・5アシストと好調。ララーナはリバプールに欠かせない戦力のひとりになっている。(C)Getty Images

 ユルゲン・クロップ体制2年目の今シーズン、リバプールは素晴らしいパフォーマンスを披露している。プレミアリーグ3節のトッテナム戦以降は7勝2分けと負けなしで、11節のワトフォード戦に勝利し首位に躍り出た(現在8勝2分け1敗)。
 
 特筆すべきが、リーグ最多30得点を叩き出している攻撃力だ。
 
 その破壊力抜群のアタックを牽引するのが、エースのフィリッペ・コウチーニョ、クロップの戦術にすぐさまフィットした新戦力のサディオ・マネ、そしてダニエル・スターリッジを抑えてCFの定位置を確保したロベルト・フィルミーノの3トップ。3人合わせたゴール数は、16に及ぶ(コウチーニョとフィルミーノが5、マネが6)。
 
 もっとも、彼らが眩い輝きを放てるのは、良質なサポート役がいるからでもあるだろう。いわゆるその"陰のキーマン"が、インサイドハーフでプレーするアダム・ララーナだ。
 
 このイングランド代表MFの最大の強みは、豊富な運動量を活かした精力的なフリーラン。ピッチを縦横無尽に駆け回ってチャンスメークし、チームアタックに幅と奥行きをもたらしている。
 
 その存在の大きさを知らしめたのが、8節のマンチェスター・U戦。前半は相手の堅牢を崩せず、なかなかチャンスを作れなかったが、ララーナが途中出場した60分以降は攻撃のリズムがガラリと良くなり完全に主導権を握った。結果は、スコアレスに終わったものの、敵の守護神ダビド・デ・ヘアの好セーブがなければ、リバプールが勝っていたはずだ。
 
「ララーナはキャリア最高の時を過ごしている。こうした選手がいると、チームとしてはとても助かるんだ」
 
 マンチェスター・Uのレジェンド、ライアン・ギグスからそう絶賛されるララーナ。クロップの監督就任時(昨年10月)に英国メディアから「放出候補」と報じられたものの、いまやリバプールに絶対不可欠な戦力となっている。
 
 順風満帆なキャリアを過ごすララーナは、しかし、11月15日のスペイン戦(フレンドリーマッチ)で27分に負傷交代。19日に行なわれるアウェーのサウサンプトン戦に出場できるかどうかは微妙な情勢だ。
 
 仮に欠場し、リバプールの流動的なアタックがマンチェスター・U戦のようにチグハグになれば、ララーナは図らずも自身の価値をふたたび証明することになる。
 
文:ワールドサッカーダイジェスト編集部
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