久保建英がプロ2戦目で32分間のプレー。指揮官、相手DFのリアルな評価とは?

2016年11月14日 小林健志

J3最終節はJユースカップ決勝と重なるが……。

福島戦でプロ2戦目の出場を果たした久保。中村監督の評価も上々だった。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

 J3リーグ29節の福島対FC東京U-23は11月13日、福島県福島市のとうほう・みんなのスタジアムで行なわれた。この試合に、FC東京U-18所属で前節史上最年少Jリーグデビューを果たしたMF久保建英が、前節に引き続きベンチ入りし、途中出場を果たした。
 
 とうほう・みんなのスタジアムはFC東京サポーターのみならず、久保を見たいという福島サポーターも多数つめかけ、会場入りする時には「久保君!」など福島サポーターからも声援を送られる場面もあった。
 
 試合は3分、FC東京U-23がDF小川諒也のFKからU-18所属でトップ昇格が内定しているDF岡崎慎がヘディングシュートを決めて先制。さらに41分、またも小川のFKからFW林容平がヘディングで落としたこぼれ球をFWユ・インスが押し込んで追加点。
 
 久保の出番は58分。MF野澤英之の負傷時に中村忠監督から「建英、行ける?」と声が掛かり、途中出場を果たした。見せ場は67分にやってきた。久保は中盤でボールを持つと、独特のリズムのドリブルで中央突破しゴール前へ。ペナルティエリア前でスルーパスを林に出し、林がシュートを放つがこれは福島GK植村慶の正面。初アシストはならなかった。その後も相手DFにハイプレッシャーをかけたり、決定機に絡んだりする場面はあったが、ゴールやアシストはなく、試合は2-0でFC東京U-23が勝利となった。
 
 試合後、中村監督は久保のプレーに関して以下のようにコメントした。
「守備のところで、かなりうちの足が止まっていて福島のペースになっていましたので、ユースでやる時よりもさらにこぼれ球や球際といった守備の部分を意識して臨みなさいと言いました。ピッチに入ってからアグレッシブにプレスをかけてくれました」とチームプレーに徹した素早いプレスを評価していた。
 
 また、攻撃に関しては「自由にいつも通りやってできれば点を取るようにと言いました。決定機を何回か作ったので、あとは決めるところさえ、できればというところでした。非常に良いプレーが出せたと思います」とこちらも高い評価をしていた。十分及第点というところだろう。
 
 福島は久保を複数人で囲んでボールを奪うなどして、ゴールやアシストを許さなかった。福島DFの岡田亮太は対峙した久保について「技術はあるな、と思いました。フィジカル面はまだこれからだと思いますが」と久保のテクニックを評価していた。
 
 フィジカル面などで課題はあるが、J3でも十分に「戦力」となっている。J3リーグは11月20日(日)に行なわれる最終節を残すのみ。Jユースカップ決勝とも日程的に重なっているが、どちらに出場しても注目だ。
 
取材・文:小林健志(フリーライター)
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