【プレー分析|大迫勇也】“ハンパない”男が見せた1トップのあるべき姿

2016年11月12日 小田智史(サッカーダイジェスト)

むやみに前線から下がらず、ゴール前でのプレーにパワーを使えるように調整。

2ゴールを挙げた大迫。CFとして存在感を示した。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

[親善試合]日本4-0オマーン/11月11日/カシマ
 
 オマーン戦の大迫勇也は、まさに「これぞ1トップ」という活躍だった。
 
 立ち上がりはチーム全体の動きが硬く、縦パスがなかなか入らなかったため、大迫勇也のファーストプレーは7分。その後も相手の最終ラインと駆け引きしながら、何度も動き直してボールを要求するも、ボールホルダーとの意思疎通が合わず、20分過ぎまではプレー回数3回にとどまった。
 
 そこで、大迫はサイドに流れる"横の変化"を入れて前線で勝負を続ける。むやみにポジションを下げないことでDFを引きつけ、トップ下の清武弘嗣にスペースを創出。徐々にチームにリズムが生まれると、大迫のペナルティエリア内でのプレーも増えていく。試合前、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督からは、「(前線から)下がってくるな」とだけ、指示を受けていたという。
 
「動くなというよりは、ボールが来る時にはゴール前にいろ、ということ。トップ下にはキヨくん(清武)がいたし、上手く任せながらゴール前でパワーを使えるように心掛けた」
 
 ゴール前で――、という部分を体現し、結果につなげたのがふたつの得点シーンである。32分、左サイドからの清武のクロスにファーで合わせて先制点を奪うと、42分には清武のスルーパスに抜け出してボックス内でDF1枚を交わして豪快なシュートを突き刺した。さらに言えば、オフサイドでノーゴール判定になったが、19分には本田圭佑の折り返しに飛び込んでゴールネットを揺らしている。

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