攻守で安定したフランクフルトが1点を死守! 長谷部、大迫はともに存在感を示す

2016年11月06日 サッカーダイジェストWeb編集部

後半はケルンが攻めるも、フランクフルトは要所を締めて勝利。

勝敗という点では明暗が分かれたふたりだが、ともにチームのなかで重要な存在であることを改めて証明した90分間だった。 (C) Getty Images

 11月5日(現地時間)、ブンデスリーガ第10節が行なわれ、フランクフルトは1-0でケルンを下した。
 
 勝点3差の両チームの対決において、リベロ的な役割で新境地を切り拓きつつあるフランクフルトの長谷部と、ケルンのキーマンにもなっている好調・大迫との対峙は大きな注目点であるとともに、勝敗をも左右する重要なポイントでもあった。
 
 開始5分で、早くもスコアは動く。まだ試合が落ち着いていない状態のなか、右サイドからチャンドラーが上げたクロスを、GKホルンの前に走り込んだガチノビッチがヘディングで押し込み、フランクフルトが先制したのだ。
 
 リードを奪ったホームチームは、ボールポゼッションを高めるとともに、守備でも集中力を高く保って、ケルンの決定的なプレーを許さない。特に、警戒するモデストと大迫の前線コンビに対しては、長谷部とアブラハムがしっかりと対応して、これを封じ続けた。
 
 長谷部は最後尾で相手の攻めをはね返し、ボールを得ると的確な配球で攻撃の起点となった。また、攻撃時には中盤までポジションを上げ、ボランチ的なプレーでチームをコントロールしていった。
 
 大迫は、フランクフルトの守備が良いため、なかなかボールに触る機会がなく、またアブラハムのマークも厳しかったが、それでもボールが来るとしっかり収め、味方に繋いでみせる。ただ、モデストとのコンビは分断され、自身もシュートチャンスはなく、相手に多大な脅威を与えるまでには至らない。
 
 フランクフルトの良さばかりが出た前半だったが、後半に入ってもホームチームは安定した守備を見せ、攻撃では右サイドのチャンドラーとファビアンの連係と、正確な縦パスで相手ゴールに迫っていく。
 
 ケルンは守備の際には多くの人数を割いて対応するも、あいだにパスを通されることが多く、ピンチを迎えることが多かった。
 
 しかし攻撃では50分、右サイドのヘーガーのクロスから大迫が得点機を迎える。これを頭で合わせ、ゴール左隅を狙ったものの、ボールはわずかに枠を外れた。大迫は67分に交代出場のツォラーにスルーパスを通し、69分には自ら右サイドを抜け出してクロスを上げるなど、徐々に存在感を増していく。
 
 ケルンはサイドからクロスを入れることで好機を創り出し、80分にはツォラーがゴール前で決定機を迎えたが、フランクフルトのチャンドラーが身体を投げ出してこれを防ぎ、得点を許さなかった。
 
 その直後には、大迫がペナルティーエリア内でGKフラデツキーの頭上を越すヘディングシュートを放つも、高さが足りずにキャッチされる。
 
 終了間際にもケルンは、ツォラーがエリア内でフリーでボールを受けるも、ボールコントロールを誤ってシュートまでも持ち込めず、その後の左からのきわどいクロスもゴール前で待ち受けるモデストには合わなかった。
 
 こうして後半はケルンが攻めるも、最後までフランクフルトが要所をしっかり締めてゴールを守り、今シーズン5勝目を挙げた。一方、公式戦5試合連続得点のモデストが低調に終わったケルンは、今シーズン2敗目を喫し、勝点でフランクフルトに並ばれた。
 
 長谷部は83分からボランチに移行したが、変わらず安定したプレーを見せ、効果的なパスを縦横に送り続けるとともに、機を見てドリブルで相手陣内に攻め入るなど、積極的なプレーを見せた。
 
 一方、大迫は能力の高さを随所で見せるも、モデストが沈黙しただけに、幾度かあった得点機を活かしたかったところ。その点では悔いが残ったが、この試合でも好調ぶりが窺えただけに、久々に参加する代表戦での活躍に期待は高まる。
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