【浦和】サイドの新たな刺客、駒井が「クビになる」と危機感を募らせる理由

2016年11月04日 塚越 始(サッカーダイジェスト)

リーグ戦は6戦連続スタメン出場。横浜戦では数多くのチャンスを作る。

横浜戦では再三にわたってサイドを崩した駒井。ただ今季無得点に終わったことを悔やんだ。(C)SOCCER DIGEST

[J1 第2ステージ17節]
浦和レッズ 1-1 横浜F・マリノス
11月3日/埼玉スタジアム2002
 
 第2ステージ最終節の横浜戦、駒井善成が右サイドを再三にわたって切り崩し、多くのチャンスを作り出した。しかし85分、"危険地帯"で相手に囲まれながら強引にドリブル突破を仕掛けると、ボールを奪われ、そこからマルティノスにゴールを叩き込まれた。
 
 ハーフタイムには、浦和に勝点1差でつける年間2位の川崎がG大阪戦に「2点リードしている」という情報が選手たちに伝えられていた。それだけに、駒井は「自分のせいで優勝できなくなってしまう」と責任を感じ、なんとかして挽回しようと思ったという。
 
 ただ、その時には川崎は2-3と逆転されていた。そこから反撃に転じようとした浦和の選手たちに、「引き分けでOK」と徐々に伝わる。川崎がそこから2点取らなければ、浦和の年間1位が決まるという状況だから。
 
 駒井はベンチから一番遠かったことで、情報が伝わるのも遅かったそうだ。少なからず半信半疑でプレーしていただけに、試合終了の笛が鳴り、川崎の結果を受けて年間1位が決まったと知った際は「人生で一番ホッとした」そうだ。
 
 浦和のレギュラーシーズンが終わったが、駒井は第2ステージ終盤、ウイングバックとしてリーグ6試合連続で先発を果たした。重要な戦力に成長したのは間違いないが、そんな彼が今季最も悔やんでいることがひとつある。それはノーゴールだったこと。
 
「1点も取れませんでしたからね。ここからは、より『結果』が求められま。来シーズン、1点も取れなかったらクビになっても仕方ありません」
 
 年間1位になれた安堵に浸りながらも、駒井はかなり真剣にそのように危機感も募らせていた。
 
 もちろん、まだシーズンは続く。間違いなく、駒井はゴールに近づいている。

 FCソウル戦でのPK失敗、ピッチで迎えたルヴァンカップ優勝、そして今回の年間1位決定の"舞台裏"……。今季さまざまな経験を積んできたドリブラーに、もしかすると、チャンピオンシップでの初ゴール-―そんなシナリオが待ち受けているかもしれない。
 
取材・文:塚越 始(サッカーダイジェスト編集部)
 
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