【讃岐】木島徹也が古巣・町田に痛快な“恩返し弾”。遅咲きのアタッカーがゴールを量産する理由

2016年10月31日 小田智史(サッカーダイジェスト)

「フリーなのは分かっていたので、ボールを受けた時は決められる自信はあった」

立ち上がりの9分、木島徹は「狙っていた」カウンターから先制ゴール! 攻撃開始からわずか17秒で決めた、まさに電光石火の一撃だった。 写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

[J2第38節]町田0-1讃岐/10月30日/町田
 
 讃岐にとって、木島徹也が挙げたゴールは、まさに「虎の子の1点」だった。
 
 立ち上がりの9分、相手のロングボールをキャッチしたGK清水健太から左SB砂森和也、ボランチの山本翔平、さらに大きなサイドチェンジで右SB西弘則へとボール渡る。相手の最終ラインに入り込んでいた木島徹は、2度自身がオフサイドでないことを確認すると、西のスルーパスに合わせてスペースへ抜け出し、ペナルティエリア内に侵入。追いかけてくるDFを切り返しでかわし、ブロックに来るDFとGKの股を抜いて先制ゴールを突き刺した。
 
 自陣での攻撃開始からわずか17秒での電光石火のカウンター。ゴールの時間帯、形、町田に与えたダメージの大きさも含めて、木島徹の得点は1点以上の価値があったと言っていい。一連の動きにも無駄がなく、「焦りはなかった」と胸を張るように、実に冷静なフィニッシュだった。
 
「相手がラインを上げてくるなかで、フリーなのは分かっていたので、ボールを受けた時は決められる自信はありました。シュートの場面は外国籍選手(カルフィン・ヨン・ア・ピン)が対応してきたんですが、リーチが長い分、そして(僕が切り返した)角度的に股が空きやすいのかなと、それを狙っていました。意識していたカウンターで早い時間帯に先制点を取れて良かったです」
 
 木島徹は2013年、14年と町田に在籍。古巣との対戦に関しては「あまり意識はしていなかった」が、ゴールを決めてから少なからず「複雑」な気持ちが生まれたという。
 
「町田時代はあまり活躍できなかったので(13年はJFLで20試合・2得点、14年はJ3で30試合・5得点)、ゴールを決めたことで、結果的に古巣のチームに良いプレーを見せられたのかなと」

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