【町田】キャプテンの李漢宰が抱えるジレンマと未来への熱意。「6位で終わるのか、7位で終わるのかで全然違う」

2016年10月31日 小田智史(サッカーダイジェスト)

「どこかで気持ちが緩んでいる部分があった。今日のような試合をしていたら、上に上がるのは難しい」

讃岐戦は球際を含めてメンタル面で後手を踏み、悔しい敗戦を喫した。 写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

[J2第38節]町田0-1讃岐/10月30日/町田
 
 J2屈指のハードワーク集団である町田らしくない試合だった。運動量に限った話ではなく、この日の町田は、球際の大半で讃岐に負け、明らかに気持ちの面で後れを取っていた。確かに、そのうちのいくつかはファウルで町田ボールになってもおかしくはなかったかもしれない。しかし、残留争いをする讃岐に開始9分で先制点を奪われ、その後も後手に回る展開が続いてしまった。
 
 相馬直樹監督が「戦う集団として選手をピッチに立たせることができなかった」とメンタル面の未熟さを悔いたのに同調するように、キャプテンの李漢宰も、「立ち上がりに後手に回ってしまったことがすべて。どこかで気が緩んでいる部分があった」と振り返る。
 
 53分のPKは、キッカー・仲川輝人のシュートは無情にもポストを直撃。57分に讃岐の仲間隼斗が退場となり、30分間以上数的優位の時間がありながら、相手の身を挺したディフェンスの前にゴールを割れず、0-1でタイムアップの瞬間を迎えた。李漢宰は、「大きな代償を払わされた」と敗戦の現実を重く受け止める。
 
「相手に失礼なくらいの(試合の)入りをしてしまった。点を取れなくて負けた試合はこれまで何回もあったなかで、今日感じたのは、僕も含めてチームとして成長が足りないなと。学ぶべきものを学び切れていない。メンタルの部分で後手を踏んでしまったのが一番の敗因だし、それを修正できなかったのは自分たちの責任です」
 
 李漢宰自身、右膝の状態が万全ではなく、テーピングでガチガチに固めて試合に臨んでいる。讃岐戦では、負傷の悪化を恐れてか運動量も控えめで、パスも距離の近い選手へのものに終始した。もどかしさはあるだろうが、"闘将"は一切言い訳しない。それ以上に、敗戦から何を学び、どのように今後の勝利に生かすかが大切だと口調を強める。
 
「残留争い、もしくは昇格争いをしているチームに対して、先手を取られてしまうと、なかなか盛り返すのは難しいと改めて感じた。今日のような試合をしていたら、上に上がるのは難しいなと。相手が強かったり、順位が上のチームなら(良い試合が)できて、順位が下のチームだとできないのか。それはメンタルの問題以外にあり得ない。そこはもう一度、自分たちが見直すべき点だし、もう2度と同じ失敗を繰り返しちゃいけない」

次ページ「自分たちがこれから時代を築いていくためにも、本当に大事なトライになる」

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事