スタメン香川、前半は最も目立ったが…「ルールダービー」は痛み分け

2016年10月30日 サッカーダイジェストWeb編集部

後半はドルトムントの攻撃が活性化し、試合は一気に激化した。

ゴール前に飛び出す回数、効果的な縦パスは数えるほどだった香川。今回も相手に脅威を与えるプレーはあまり見られなかった。7分には競り合いで相手に肘を入れたとして、警告を受けた。 (C) Getty Images

 10月29日(現地時間)、ブンデスリーガ第9節が行なわれ、ドルトムントはシャルケと0-0で引き分けた。
 
 ドルトムント6位、シャルケ14位で迎えた注目の「ルールダービー」で、香川はスタメン出場。2列目の中央でゲッツェとコンビを組むこととなった。
 
 試合はアウェーチームが開始3分にCBのヘーベデスがゴール前まで持ち込み、混戦のなかでマイヤーがシュートを放つも、ドルトムントDF陣にブロックされる。
 
 その後はドルトムントがボールを持つ時間こそ長いものの、シャルケが形成した堅固な守備ブロックを崩せないまま時間が過ぎていく。
 
 香川は下がり目の位置取りで、よくボールに触れるが、前の選手が完全に抑えられた状況では効果的なパスを出せず、横か後ろにボールを回すしか選択肢がない。特筆すべきプレーは、23分にルーズボールを拾って突進しシュートまで持ち込もうとした場面と、29分にゲッツェに通した縦パスぐらいだった。
 
 それでも、香川はドルトムントのなかでは最も目立った選手であり、デンベレ、プリシッチは全く得意の突破が封じられ、ゲッツェも時折ドリブルで仕掛けるぐらい。オーバメヤンにいたってはボールにほとんど触れられない。
 
 29分にCBのパパスタソプーロスがドリブルで相手陣内に侵入した際に最もスタジアムが盛り上がったというのが、前半のチーム状況を物語っていた。
 
 対するシャルケは、選手の帰陣が速く、高い守備意識と集中力でドルトムントのプレーを封じ、ボールを奪うと少ない人数でボールを繋いで、効果的なカウンターを見せる。14分、21分にはMFガイスからの縦パスが好機を生み出した。
 
 好調なシャルケと、攻撃が停滞気味のドルトムントという、ここ数試合の両チームの状況がそのまま反映されたかたちの前半45分だった。
 
 後半、48分にデンベレのクロスがヘーベデスの手に当たるもノーファウルの判定でスタジアムが騒然となる。その1分後、シャルケはカウンターから、右サイドから抜け出したコラシナツが強烈なシュートを放つが、これはGKビュルキがセーブした。
 
 そこからしばらくはアウェーチームの攻勢が続いたが、ドルトムントは53分、ピシュチェクの右からのクロスをプリシッチが頭で流し、逆サイドのデンベレが左足でボレーシュート。この試合初の決定機だったが、ボールはクロスバーを叩いた。
 
 ここからドルトムントの攻撃は活性化し、良いパスの繋ぎから相手ゴール前にたびたびボールが入る。これを何とかはね返すシャルケも、前半同様に鋭いカウンターを披露したことで、試合は一気に激しさを増していった。
 
 そんななか、73分にゲッツェが壁パスから抜け出して決定的な場面を迎えるが、GKフェーアマンにブロックされる。その1分後には、デンベレの縦パスを受けたオーバメヤンが中央に折り返すると、ゴール前にはプリシッチが待ち構えていたが、その背後からコラシナツが辛うじてクリアした。
 
 その後、ドルトムントがポゼッションで上回りながらも両チーム一進一退の攻防が繰り広げられたが、ともに決定打に欠けて試合終了。ダービーマッチはスコアレスドローとなった。
 
 互いに意地を見せた一戦、ドルトムントは暫定で5位、シャルケは12位と順位を上げたものの、勝点3を狙って最後までゴールを狙い続けただけに、両チームにとって痛み分けと言える結果となった。
 
 香川は、ドルトムントの攻撃にスイッチが入った後の79分にシュールレと交代。よくボールには触れ、運動量も多く、守備でも貢献したが、チャンスを生み出す縦パスは、71分に右サイドに走り込んだオーバメヤンに入れた1本に終わった。
 
 この試合では、ゲレイロ、シュールレが復帰。徐々に攻撃の駒が揃いつつあるなかで、果たして次戦以降、香川はいかに起用されることになるだろうか。
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