ピッチに帰還した“不屈の男”バドシュトゥバー「これが最後の復帰」

2016年10月27日 サッカーダイジェストWeb編集部

キャリアの多くの時間を治療とリハビリに費やした守備の有望株。

再び動き出したバドシュトゥバーのキャリア。これ以上、怪我の経歴が増えないことを祈りたい。 (C) Getty Images

 DFBカップ2回戦、バイエルンはアウクスブルクを3-1で下した。開始100秒あまりでラームが先制ゴールを決め、41分にはグリーンが初得点。68分に1点を返されたものの、終了間際にアラバのゴールでトドメを刺した。
 
 この試合、週末のブンデスリーガ第8節・ボルシアMG戦からはスタメンが8人入れ替わったが、アンチェロッティ監督はドイツの公共放送『ARD』に対し、「どの選手も、常にコンディションを整えている。私の仕事は彼らのモチベーションを高く維持することだ」と語っている。
 
 また、前任者"ペップ"グアルディオラについても言及。「彼は素晴らしい仕事をして、素晴らしいチームを残してくれた」と称賛したが、「今は新たなストーリーが始まっている。我々は、さらなる向上を続けているところだ」とも付け加えた。
 
 これで公式戦3連勝を飾ったバイエルンだが、このアウクスブルク戦では嬉しい出来事があった。今年2月以来、足首の骨折で戦列を離れていたDFバドシュトゥバーが、81分にフンメルスとの交代でピッチに立ち、復帰を果たしたのだ。
 
 2009年に20歳でプロデビューを果たした彼は、CBとして高い才能を有すると評価され、翌年には早くもドイツA代表デビューも果たしたが、この年からたび重なる怪我に見舞われることとなる。
 
 最初は恥骨炎で、回復までに約2か月を要した。その2年後には前十字靭帯を断裂して1年半以上を棒に振り、その後も14年と15年に大腿部の腱を断裂。いずれも4か月を超える長期欠場を強いるものだった。
 
 そして昨シーズン、11月に復帰を果たしたものの、前述の通り今年2月に練習で足首を骨折。負傷のたびに大きな失望を味わいながらも挫けることなく、不屈の精神力で苦難を乗り越えた彼は、シーズン終盤に練習に復帰し、今回、長い道のりを経てようやくピッチへの帰還を果たした。
 
 キャリアのなかの多くの時間(ほぼ半分!)を治療とリハビリに費やすこととなり、チームメイトやファンだけでなく、ドルトムントなどライバルチームからも応援のメッセージを送られていたバドシュトゥバーがピッチに立った時、アリアンツ・アレーナの観衆はスタンディングオベーションで彼を祝福した。
 
「忘れられない瞬間だ。これほどの温かい歓迎を受けられて感動している。ファンに早くお返しがしたい」
 
 そう復帰の喜びを表現した27歳のCBは、これまでの怪我を振り返りながら、「これが"最後の復帰"だ。これからは怪我なくコンディションを維持しながら、ずっとピッチに立ち続けたい」と願望を語った。
 
 アンチェロッティ監督は、バドシュトゥバーについて「チームにとって重要な選手の復帰は、とても喜ばしいことだ。彼は復帰に向けて、必死にトレーニングを続けてきた」と、その労をねぎらった。
 
 バイエルンは、今週末(29日)のブンデスリーガで再びアウクスブルクと、11月1日にはチャンピオンズ・リーグではPSVと対戦(いずれもアウェーマッチ)する予定である。

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