【浦和】“厳罰”交代の森脇良太、残り2戦、指揮官の苦渋の決断に応える「最低条件」

2016年10月25日 サッカーダイジェスト編集部

失点に直結、抗議でイエローカード…。冷静さを欠き、ハーフタイムに交代を告げられる。

この日の森脇はプレー以外で目立っていた。試合後、「幼い自分が出てしまった」と猛省した。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

[J1第2ステージ15節]新潟 1-2 浦和/10月22日(土)/デンカS
 
 「熱くなっていましたね」
 
 新潟戦の森脇良太は、明らかに冷静さを欠いていた。
 
 事の始まりは15分、森脇が遠藤航に出した横パスを、待っていましたとばかりに新潟のFWラファエル・シルバに奪われてしまう。そのまま独走を許して、一時1-1に追い付かれてしまう。
 
 「(青木)拓矢と航どちらにパスを出そうか悩みました。航に出したボールスピードが弱く、芝生にとられました。あれは明らかに自分のミスです」

 そのミスを取り返そうとしたが、噛み合わない。そしてイライラを募らせていく……。

 40分、遠藤航からのパスを受けた森脇だったが、一瞬判断が遅れ、レオ・シルバのハイプレッシャーを受ける。必死に振り切ったものの猛追されて、ボールを失ってしまう。自分で転げたようにも、L・シルバの足が引っかかっているようにも見えたが、主審はこれを流した。
 
 その1分後、左サイドで関根貴大と松原健がマッチアップ。身体を張り合ったが、主審は松原のファウルを取った。すると、背番号46が審判に近づき、判定基準が分からないと執拗に抗議し、主審からイエローカードを提示された。
 
 さらに2分後、またも遠藤からボールを受けた森脇は、再びレオ・シルバと肉弾戦を演じる。両者がもつれあった結果、レオ・シルバのシャツを引っ張ったとして、森脇はファウルの判定を受けた。審判によっては、2枚目のイエローカードが提示されて退場処分を食らったかもしれない肝を冷やすシーンだった。
 
「そのあとのワンプレー(上記のファウルの判定を受けたプレー)で自分のなかで抑えられないものが出てきてしまった」
 
 すると森脇は、ハーフタイムで交代を告げられた。もちろん今季最短。これまで30試合に出場し、29試合がフル出場。あと1試合も75分での交代。槙野不在時には左ストッパーにも起用されてきた。計算の立つ、加えて、替えの利かない存在と言えた。
 
「(ペトロヴィッチ監督は)相手も挑発してきているということでの交代だと言ってました」
 
 早々の交代の一番の理由は、2回目の警告を受け、退場処分を食らうのを避けるためだった。1週間前のルヴァンカップ決勝で、120分間とPK戦による死闘を制し、その疲労が多くの選手に感じられた。失点に絡んでしまった遠藤も「全体的にどこか重そうだった」と認めている。

 負傷の影響で柏木がベンチに温存されるなか、ボールを確実に収めなければならない森脇だったが、明らかに"負のスパイラル"に陥っていた。悪い時の森脇を、誰よりも把握するペトロヴィッチ監督。2枚目のイエローが出るのは時間の問題だと察知し、素早い決断を下したのだ。
 
 試合後、森脇は「悔しかったですけど、自分が招いた結果なので、それを受け入れなければいっけませんね」と猛省していた。
 
 今後も重要な試合が続くだけに、この反省を糧にしたい。すでに第2ステージで2枚のイエローカードをもらっている森脇は、あと1枚で出場停止になってしまう。指揮官の"厳罰"とも言える交代とそこに込められた檄に応えるのであれば、リーグ戦あと2試合、警告を受けずに戦い切ることだ。
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