【藤田俊哉の目】本田、吉田らに続く5人目のVVV日本人選手の誕生! バイタリティ溢れる19歳がやって来た

2016年09月23日 サッカーダイジェストWeb編集部

飛行機と電車を乗り継ぎ一人で練習参加。高校時代はフランス語コンクールで受賞経験も。

3度の練習参加を経てVVVに加入が決まった田嶋。プレーヤーとしての将来性とともに、その行動力でプロ契約を勝ち取った。

 オランダ2部リーグ・VVVフェンロのコーチとしてヨーロッパでの指導者人生をスタートさせている元日本代表MFの藤田俊哉さん。現地で日々感じたことを、月1回のペースでお届けします。今回は、今シーズンからVVVフェンロに入団してきた日本人選手について。
 
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 かつてVVVフェンロでは、本田圭佑、吉田麻也、カレン・ロバート、大津祐樹がプレーしていたが、そんな彼らに続いて、今シーズン、VVVフェンロに5人目の日本人プレーヤーが誕生した。
 
 彼の名は田嶋凛太郎。凛太郎のVVVフェンロ入りのニュースは、日本のメディアにも取り上げられていたと思うけれど、彼は暁星高を卒業し、今年4月に慶応義塾大に入学した。同大サッカー部へ入部していたが、VVVフェンロへのテスト入団を経て、7月31日付けで慶応大を休学し、オランダへ渡ることになったのだ。
 
 VVVフェンロへ入団することになったキッカケは、昨年末に彼が海外での挑戦を考えていることを知り、クラブに相談したところ、練習参加ならいつでも歓迎すると言ってくれたのが始まりである。
 
 その後は日々のトレーニングでのアピールが評価され、彼は自らの力でその可能性を証明した。監督やコーチングスタッフは彼の堅実なプレーぶりを評価し、フロントはプレーヤーとしての将来性、バイタリティ溢れる行動力、コミュニケーション能力の高さ、環境の変化への順応性を評価した。
 
 昨夏から3度練習に参加した実績もある。いずれも彼は日本からひとりで飛行機と電車を乗り継いでフェンロにやってきた。19歳の時の自分が海外に出てそれができたかな? と考えたら、やはり彼はタフな選手である。
 
 それだけではなくスマートな青年でもある。聞くところによると、暁星高時代には、財団法人日仏会館が主催する『フランス語コンクール』で受賞経験(編集部注:2014年アンスティチュ・フランセ日本賞)があるという。
 
 彼のポジションはセントラル・ミッドフィールダー。試合経験が少ないので、まだゲームでは戸惑うシーンを見受けられるが、ハードワークが身上で規律正しくプレーできる。時間をかけてその部分をさらに磨いて、より戦術を理解し、アグレッシブにプレーすれば、可能性も大きく広がるはずだ。
 

次ページ彼の姿にチャレンジすることの大切さを痛感させられる。

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