バレンシア、泥沼の開幕4連敗……かつての英雄が救世主に名乗り!?

2016年09月19日 サッカーダイジェストWeb編集部

オフで主力を次々に引き抜かれ、補強は不調なままシーズンへ。

76年から5シーズン、82年から2シーズン、バレンシアでプレーしたケンペス。リーガ245試合で149得点と、「エル・マタドール」は長髪をなびかせながら、ゴールを量産した。写真は78年W杯決勝でのゴール時。 (C) Getty Images

 リーガ・エスパニョーラ第4節、バレンシアはアウェーでアスレティック・ビルバオと対戦し、1-2で敗れて開幕4連敗を喫した。
 
 ラス・パルマス、エイバル、ベティスの軍門に降り、ビルバオの本拠地に乗り込んだバレンシアは、2分にメドランのゴールで先制するも、ビルバオのアドゥリスに2発を許し、以降、反撃はならなかった。
 
 これで、ついに単独の最下位に沈んだバレンシア。アジェスタラン監督は「先制したまでは良かったが、2点目が奪えなかった。守備をもっと改善しなければならない。選手は、持てる力を出し切っている。次のアラベス戦に勝って、この状況を改善したい」と語っている。
 
 今オフ、ムスタフィ、A・ゴメス、パコ・アルカセルといった主力を次々に引き抜かれバレンシアは、ガライ、ムニルといった選手を補強したものの、明らかに戦力が低下した状態でシーズンに突入し、最悪の時期を過ごしている。
 
 この状況に、多くの関係者が心を痛めているが、かつて70~80年代にバレンシアに在籍し、コパ・デル・レイ、カップウィナーズ・カップ優勝に貢献、2度のピチーチ賞(得点王)を受賞した、元アルゼンチン代表のストライカー、マリオ・ケンペスもそのひとりだ。
 
 1978年アルゼンチン・ワールドカップのMVP&得点王であるケンペスは、母国の英雄であると同時に、バレンシアのレジェンドでもあるが、現在はESPNでコメンテーターを務めている。
 
 そんなケンペスには、苦境に陥っているバレンシアの次期監督として復帰を望む声も多く寄せられているが、ツイッターで彼は「多くの人々が私の監督就任を望むなら、私はそれに応えたいと思う」とコメントを発している。
 
 現在のバレンシアについては「前から心配していた。現在のクラブには、計画性もなく、何のアイデアもない。チームからはパワーを感じられない」と率直な印象を述べ、その行方を案じた。
 
 とはいえ、アジェスタラン監督の解任を望むようなことはなく、彼が率いる現在のチームに対して「今はとにかく結果を残すために、必死にハードワークに励むしかない。そうすることで、状況は良くなっていくだろう」とエールを送っている。
 
 このまま暗黒のトンネルを彷徨い続けるのか、現体制で光明を見出すか。あるいは、ケンペスを含めた新たな指揮官候補に現状打破を託すのか……。いずれにせよ、バレンシアの苦難は、まだまだ続きそうだ。
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