【広島】“マンガ顔負け”の超絶シュート。塩谷の一撃を生んだ相棒との居残り特訓

2016年09月18日 小田智史(サッカーダイジェスト)

約35メートルの鮮やかな無回転シュートが鳥栖ゴールに突き刺さる。

“マンガの世界”ばりのスーパーシュートが炸裂。塩谷はスライディングで“祝福”する千葉(5番)を華麗にかわし、ベンチで待つ増田らチームメイトの下へ向かった。 写真:徳原隆元

[J1第2ステージ12節]鳥栖2-3広島/9月17日/ベアスタ
 
「マンガの世界だ!!」
 
 思わず、試合中継の解説者が叫んでしまうほど、塩谷司が見せた"飛び道具"は現実を凌駕していた。
 
 34分、広島は左サイドでボールを奪うと、青山敏弘→丸谷拓也とつないでウィークサイドに展開。センターサークル付近で塩谷がパスを受けた瞬間、背番号33の前にはぽっかりとスペースが生まれていた。1ドリブルを挟んで、右足を振り抜いた無回転シュートは一度ホップした後、ペナルティエリアに入ったところから急降下してゴールに吸い込まれていった。

【鳥栖2-3広島 PHOTO】 塩谷の豪快無回転シュートが炸裂!

 先制点が生まれるまでに広島は4度の決定機を迎えたが、鳥栖の堅いブロックに阻まれ、停滞ムードが漂い始めていた。そこで、塩谷は長距離シュートを見せてDFを引きずり出すため、ボールをもらう前から「(シュートを)打つのは決めていた」という。「場所が場所だったんで、GKがゴールにへばりついてることはないと思っていた」。対する鳥栖の守護神・林彰洋も「打ってくる感覚、雰囲気もあった」と予期していたが、「(ボールが)ブレていたので、飛ぶタイミングなどで上手く対応できなかった」と舌を巻いた。
 
 森保一監督は試合後、「塩谷が日頃の居残り練習でやっているようなスーパーなシュートを決めてくれ、良い形で試合を進めることができた」と労った。その旨を報道陣から告げられると、「まさにその通りで、ゴールは練習の成果だと思います」と答えると、すぐさま練習を手伝ってくれた"相棒"への感謝を口にした。
 
「毎日、(全体)練習後にマス(GK増田卓也)に付き合ってもらって、マネージャーにボールを拾ってもらって、(シュート練習を)やってきた成果が出た。良いところにボールを置けば、天気も天気(雨)だったので、何か起こるかなと思って。狙い通りのブレ球です。自分でもビックリしましたけど、練習するもんだな、練習は裏切らないなと。打たないと入らないってことを今日は証明できたんじゃないかなと思います」

次ページ2失点は反省点だが、攻守に輝きを取り戻しつつある。

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