湘南戦で華麗な決勝弾! ハリルさん、目下絶好調の中島翔哉を最終予選で試しませんか?

2016年09月11日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

「翔哉のゴールで楽になった」(秋元)

湘南戦で素晴らしい先制ゴールを決めた中島。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

 湘南をホームに迎えたFC東京は、前半途中までペースを掴めずに苦しんでいた。しかし、ひとりのアタッカーがその重苦しい雰囲気を吹き飛ばす。44分、梶山からの縦パスを受けると、そのままドリブルで持ち込んだ背番号39の中島が右足を一閃。絶妙なコースへと飛んだシュートはGKタンドウ・ベラピを嘲笑うかのように、ゴールネットを揺さぶった。
 
 結局、この先制弾で波に乗ったFC東京は後半に2点を加えて3‐0と勝利。ミックスゾーンでFC東京の選手たちが口にしたのは、中島への称賛だった。
 
「(中島)翔哉のゴールで楽になった」(秋元)
 
「前半はみんなあまり動けていなかったけど、翔哉が決めてくれた。先制できたのは大きかった」(田邉)
 
「翔哉が良い時間に取ってくれた。楽にゲームを進められた。(あの先制弾は)翔哉の動き出しが良かった」(梶山)
 
「翔哉が点を取ってくれて、落ち着いた」(河野)
 
 こうしたコメントが物語るように、中島の先制弾は流れを引き寄せた一撃だった。当の本人に言わせれば、あれは「チームのゴール」だった。
 
「チームのゴールだと思います。周りで動いてくれた選手も見えていたので、こういうゴールをもっと奪えるようになれば、強くなれるはずです」
 
 前節の名古屋戦で起死回生の同点ゴールを決めた中島は、ハリルホジッチ監督が視察に訪れた今回の湘南戦でも自信に溢れたプレーを披露。鋭いドリブルで中央のエリアを突破すれば、キレキレのフェイントで揺さぶりをかけてクロスを上げ、さらにチーム最多のシュート4本とゴールへの意欲を誰よりも見せていた。
 
「ゴールに向かうことが大事。もっとゴールを取れたと思うので、ドリブルのスピードも高めてもっと怖い選手になりたいです」
 
 リオ五輪のグループリーグ敗退を受け、より勝負へのこだわりが強くなった印象だ。2015年のアジアカップ前にトレーニングパートナーとしてA代表の練習に参加した中島は、当時から独特の存在感を示していた。これだけゴールにこだわり、自らドリブルで守備網を切り裂けるテクニシャンを今だからこそA代表で見てみたい。
 
 ハリルさん、目下絶好調の中島翔哉をワールドカップのアジア最終予選で試しませんか?
 
取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
 
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