フロンターレでは感じられない悔しさ――小林悠がわずかなプレータイムに掴んだ手応えとは?

2016年09月09日 サッカーダイジェストWeb編集部

「紅白戦も出られないような状況だった」

今回の予選2試合では5分間の出場に終わった小林。この悔しさをバネに這い上がりたい。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

 タイ戦では本田に代わり、85分から途中出場した小林だが、見せ場は訪れず、試合後のコメントも湿りがちになった。
 
「何もできなかったですね。背後を狙って行けと言われましたけど……。まあ、もっと長い時間出られるようにアピールしなきゃいけないと思いました」
 
 合宿中のトレーニングでは紅白戦にも入れず、ひとりでシュート練習に励んだ時もあった。
「状況的には全然ダメっていうか……、紅白戦もできないような状況だったけど、フロンターレでは感じられないことだと思うし、あそこでもメンタルを保ちながらいいモチベーションでやれたので、そこを次にしっかりつなげたい」
 
 J1リーグでは今季13ゴールをマークし、合宿中には指揮官からもその研ぎ澄まされた得点感覚について高い評価をもらっていた。それだけに、まだまだピッチ内でアピールしたい気持ちは大きかったはずだ。
 
 しかし、それでも小林は厳しい立場のなかでも出場機会を掴めたことに、決して小さくはない手応えを掴んだようだ。
「昨日(試合前日の紅白戦では)めげずにアピールできた。しっかり自分の良さを出せたので、だから使ってもらえたと思う。モチベーション高く取り組めたのは良かった」
 
 1勝1敗の五分に星を戻したとはいえ、攻撃面の不安はいまだ拭えないハリルジャパン。川崎でのさらなるゴール量産とともに、課題に挙げられたフィジカル面での進化を遂げ、指揮官の評価を確固たるものにできれば、状況は確実に変わるはずだ。
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