【釜本邦茂のガマッチョ診断!】本田、香川を追い越す選手が現われなければ日本サッカーは衰退するよ!

2016年09月09日 サッカーダイジェストWeb編集部

浅野はゴールを奪うために何をすべきか、という部分をもっと磨け!

タイ戦で1ゴールを決めた浅野だが、トップの働きとしてはまだまだ物足りないと釜本氏は語る。(C) SOCCER DIGEST

 アウェーでのタイ戦は2-0の勝利。まずは最終予選での初白星にホッとしたね。とにかく勝利がなによりの収穫だよ。
 
 もちろん、あのクラスの相手なら4、5点は取りたかったところだ。15分に先制したところまでは良かったけど、なにしろ追加点の時間が遅すぎた。どんな試合をしようが、点を入れないことには話にならないからね。
 
 そういう意味では、1トップに起用された浅野がゴールという結果を残したのは、ポジティブに捉えられるよ。ゴールシーンは彼のスピード、俊敏性という持ち味が発揮された良い形だったと思うよ。
 
 ただし、ゴールシーンは良かったものの、トップを張る選手としては、まだまだ勉強しなければいけないことが多いね。持ち前のスピードや得点感覚という面では確かに良いモノを持っている。でも、ゴールを奪うために何をすべきか、という点をさらに磨くべきだ。
 
 最前線でボールをきちっと受けて、味方が上がってくるところに正確にボールを落としてさらに次を狙っていく。こんなのは当たり前のことだと思われるかもしれないけど、結局こういうプレーを地味に愚直にやれるかどうかで、自分が得点する可能性も広がっていくんだ。
 
 周りを生かす、というよりも自分がボールをキープして、いったん預けて次に自分が生きるというイメージ。そういうことを、プレーが連続していくなかでやりきらなきゃいけないし、そのなかでの役割を自分のなかで整理していくべき。そこは経験していかないとね。
 
 浅野のほかにもウイングの原口やボランチの山口といった新たにスタメンで起用された若い選手は、各ポジションでよく機能していた。さらに途中からは武藤や宇佐美も出てきたけど、もうこの辺の23~25歳くらいの世代を90分戦えるだけのレベルに持っていかないとダメだよ。ハリルホジッチ監督もそういう風に選手を生かさなければいけないし、選手たちもそれに応えていかなければいけない。
 
 一方で、これまで不動の存在だった香川や本田がタイ戦ではまったく振るわなかった。試合後、彼らに対しては批判も多いけど、結果を残せなければ周りの見る目が厳しくなって当然。今のままの状態なら、代われる選手はたくさんいるし、どんどん若い選手にチャンスを与えたほうがいい。
 
 UAE戦も含めて、この2試合ではシュートの精度不足やチャンスに決めきれない勝負弱さを露呈していた。クラブでも厳しい戦いを強いられているけど、せめて代表ではレベルの高いところでやっている意地を見せてほしいよね。
 

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