【日本代表】「10分の1の敗戦」ではないUAE戦。ハリルジャパンはすでに崖っぷち

2016年09月02日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

本当の地獄が待っているのは来年。

日本はホームでの初戦を落とし、すでに追い込まれた状況に…。写真:(C)SOCCER DIGEST

[ロシアワールドカップ・アジア最終予選]日本 1-2 UAE/9月1日/埼玉スタジアム
 
 文字通り、痛恨の敗戦だろう。本田は「この1試合ですべてが終わるわけではないということをポジティブに受け止めたい」と言うが、「10分の1の敗戦」と捉えるのは楽観的過ぎる。

【W杯最終予選PHOTO】日本 1-2 UAE|本田の先制ゴールも痛恨の逆転負け
 
 というのも、今回の最終予選で本当の地獄が待っているのは来年なのだ。
 
●W杯アジア最終予選の今後のスケジュール
2016年9月6日/予選2節/タイ(A)
10月6日/予選3節/イラク(H)
10月11日/予選4節/オーストラリア(A)
11月15日/予選5節/サウジアラビア(H)
2017年3月23日/予選6節/UAE(A)
3月28日/予選7節/タイ(H)
6月13日/予選8節/イラク(A)
8月31日/予選9節/オーストラリア(H)
9月5日/予選10節/サウジアラビア(A)
 
 見てもらえれば分かるように、来年の3月からのアウェーゲームはすべて中東。しかも、最終節が敵地でのサウジアラビア戦という過酷なスケジュールなのだ。比較的楽な年内のゲームでできるだけ勝点を稼ぎたかったが、白星が計算できるはずのホームでいきなり逆転負け。だからこそ、9月1日のUAE戦の黒星は「10分の1」以上のダメージがあるだろう。
 
 前回のW杯最終予選でも同じ中東のヨルダンに苦い敗戦を喫している。それを考えると、どこか頼りない今の日本代表では……。今回の勝利で自信も得たUAEにアウェーで勝てるとは、正直、思えない。

 理想を言えば、最終戦のサウジアラビア戦の前に本大会出場を決めたいのだが、UAE戦での敗戦でそういう計算もしにくくなりそうだ。
 
 最終予選はまだ9試合あるが、すでに崖っぷちと言っても大袈裟ではない。9月6日のタイ戦は引き分けすら許されない状況。いや、年内の4試合を全勝して初めてロシアへの道がようやく見えてくるのではないか。
 
 ブラジル・ワールドカップも、リオ五輪も、初戦に敗れてすべてが狂った。もちろん、予選の試合数は違うし、一括りにして考えることはできないとの意見もあるだろうが、ただ事実として認識しておきたいのは、すでに日本は追い込まれているということだ。
 
 
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