【日本代表】長谷部の「修正」という“口癖”から見え隠れするハリルジャパンの限界

2016年09月02日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

事あるごとに「修正」という言葉を口にしてきた。だが、現状では…。

この日はチームを上手くコントロールできなかった長谷部。写真(C)SOCCER DIGEST

[ロシアワールドカップ・アジア最終予選]日本 1-2 UAE/9月1日/埼玉スタジアム
 
 長谷部はあくまで日本の力不足を指摘していた。ホームのUAE戦を落としたのはレフェリングのせいではなく、自滅だった、と。浅野のシュートがゴールに入ったシーンを振り返っても、このキャプテンは「レフェリングのことを言ってしまえばそれまでになってしまう」と言い切った。

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「自分たちで自分たちの首を締めた。先制していますから、そこからの試合運びでもまだまだ自分たちの勝負に対する甘さは多々ありますね」
 
 カタール人主審の印象を訊かれても、長谷部は淡々と答えている。
 
「UAEの選手たちは明らかに時間稼ぎをしていました。それについてレフェリーに何回か言いましたけど、レフェリングどうこうではなく、十分勝てるチャンスがあったのに取りこぼした。監督もハーフタイムにレフェリーは自分たちの側についていないと言っていましたけど、それも含めてサッカーですし、そこを差し引いても自分たちでどうにかできた試合だった」
 
 レフェリングのせいにしないところはプロフェッショナルとも言える。ただ、長谷部のコメントで気になったのは「UAE戦で上手く行かなかったところ」を訊かれた際のくだりだ。
 
「攻撃と守備の両面を"修正"しないといけない。先制するまではプラン通りでしたが、その後、セットプレー、後半の結構早い時間帯に僕の個人的なミスからボールを奪われてPKを与えた。こういう試合では小さなミスが命取りになる」
 
 ワールドカップ・アジア2次予選のシリア戦やキリンカップなどでも、長谷部は事あるごとに「修正」という言葉を口にしてきた。しかし、現状では一向に修正されていない印象だ。
 
「ここからどうチームを立て直すかという作業は、経験のある選手の役割。もう1試合も落とせない」
 
 責任感のある言葉だが、長谷部はどこかに迷いを持っているかもしれない。修正したくても修正できない現状がハリルジャパンの限界を物語っていると、そんな見方もできるのではないか。
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