【対戦国検証】日本の敗戦は必然だった? アジアカップの準々決勝でUAEが仕掛けた“罠”

2016年08月31日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

見逃せなかった、UAEの狡猾な戦い方。

アジアカップの日本戦では司令塔のO・アブドゥラフマンを右サイドで先発させたUAE。今回の試合でも罠を仕掛けるのか。(C)Getty Images

 2015年アジアカップの準々決勝で、日本はUAEを相手に開始1分にあっさりと裏を取られている。その6分後にも同じようなカウンターを食らって先制されたが、そこにはUAEが仕掛けた罠があった。

 UAEの戦い方で着目すべきは、トップ下が主戦場の"10番"0・アブドゥラフマンが4-4-2の右サイドで先発し、日本の守備陣を混乱させた点だった。この司令塔を潰しに行くのはアンカーの長谷部か、左SBの長友か、日本の戦い方が定まらないうちに先手を取ったUAEは、直後に4-2-3-1へと変更。O・アブドゥラフマンを定位置のトップ下に戻している。

 以降のUAEは引いたディフェンスで日本の攻撃を防ぐ。たとえサイドでボールを支配されても、中央のエリアは突破させない。ボールに食い付かず、ゴール前に入っていた日本の選手をとにかく抑えるような守り方で、凌いでいた。
 
 結果的にシュート数は日本の35対3。ボールを支配していたのも日本だが、PK戦の末に勝ったのはUAEだった。ハリルホジッチ監督が「PK戦でなくても勝者に相応しい戦いぶり」と当時のUAEを褒めたとおり、彼らは日本の特長を研究したうえで対策を練っていた。果たして、1年半ぶりの再戦でもUAEは新たな"罠"を仕掛けるのか。
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