【日本代表】長谷部に緊急事態? 柏木が別メニューで“パートナー未定”

2016年08月31日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

「“そこ”は監督も決めかねている部分」。

黙々とウォーミングアップをしていた長谷部。100キャップまであと1試合だ。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 UAE戦の前日練習後、キャプテンの長谷部は落ち着いた雰囲気でミックスゾーンに現われた。
 
「いよいよだなという感じ。練習でも緊張感を感じる。緊張しすぎてはいけないけど、(総合的に)雰囲気は良いかなと思っています。初戦の大事さは皆が感じている。ホームですし、絶対勝ちたい。ブラジル・ワールドカップ、それにリオ五輪もそうですけど、初戦の結果が悪いとそれを最後まで引きずってしまう。明日は自信を持ってピッチに立ちたいです」
 
 その初戦をモノにするためには、戦術にこだわり過ぎず臨機応変に振る舞うのもポイントのひとつになるという。
 
「戦術的なことを限られた時間を使ってつめ込みましたが、相手の出方などに応じて戦う必要がある」
 
 気になるのは、長谷部と2ボランチを組むのは誰かという点だ。パートナーの最有力と目された柏木が左股関節を傷めて前日練習は別メニューとなり、大島、遠藤、山口らとコンビを組む可能性が高まってきた。
 
「そこは監督も決めかねている部分はあると、ミーティングでも言っていました。誰が出るか分かりませんが、もちろん自分が出た場合はパートナーの特長を引き出したいし、自分も生かされたい。経験のある選手たちが落ち着いたプレーで示せば、若い選手が出ても伸び伸びとやってもらえると思う」
 
 2ボランチに求められる仕事のひとつが無失点に抑えることだろう。
 
「この数試合、やられた場面がいくつかあったので、今回かなり話し合いました。UAEには前のほうに何人か良い選手がいるので、一人ひとりへの対応についてはしっかりと準備しています」
 
 なかでも警戒しているのが、UAEの"10番"O・アブドゥラフマンだ。
 
「彼を皆が見ていて、彼のところからボールが出るシーンが多いですね。もし右サイドでプレーするようなら左サイドやボランチの選手が連係して掴またいですね」
 
 前回のUAE戦、アジアカップの準々決勝では立ち上がりに先制点を奪われたが、さすがにホームゲームで無様な試合はできない。
 
「ホームですし、多くのサポーターが来てくれますから、前からプレッシャーをかけて畳み掛けるつもりでやります。リスクマネジメントの部分も考えていますし、ただ前に行けばいいってものじゃない。相手はカウンターもありますから、バランスを見ながらやりたいです」
 
 勝利が必須というUAE戦に出場すれば代表100キャップに到達する長谷部。「それについては試合に出られれば話したい。日本代表という場所は特別。誰が出るか分からないし、1試合目も50試合目も100試合目も変わらないです」と冷静に答えるキャプテンは、ひとつの節目になるだろうUAE戦で、誰とボランチを組んでもクオリティの高いプレーを見せてくれるはずだ。

取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
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