「後ろに最後は玲央がいる」ベルギー2位浮上のSTVVで日本代表GKがビッグセーブを連発!ホームにこだまるするコールに「このチームで優勝したい」【現地発】

2026年01月21日 中田徹

谷口は語る。「焦れずにキチンと勝ち切れるチカラが付いてきた」

STVVでさらに存在感を高めている小久保。ホームサポーターの声援に応える。(C)STVV

 1月18日、シント=トロイデン(STVV)はルーベンに1対0の完封勝利。クラブ・ブルージュがヘントに敗れたため順位が入れ替わり、ベルギーリーグ2位に浮上した。

 リズミカルなパスワークで試合の主導権を握ったSTVVは9分、左サイドのスローインから始動した攻撃から先制点を挙げる。右ポケットを突いたMFアルブノール・ムヤの折り返しを、ゴール正面のMFイリアス・セバウイが右足で合わせた。

 STVVは「試合をコントロールした前半」、「鋭いカウンターでルーベンを脅かせた後半序盤から中盤」、そして「全員守備で1点を死守した終盤」と展開が変わるなか、息の合ったチームワークを披露した。

 CB谷口彰悟主将の「相手をゼロに抑えられたのは良かった。得点チャンスが多かったので、追加点を取れればもっと楽に進めたと思います。でも、こういう展開でも焦れずにキチンと勝ち切れるチカラが付いてきたのは、すごくポジティブな要素かなと思います」という言葉に、STVVが勝ち方を知るチームに変貌したことを感じた。

 ルーベンのアタッカー陣は先発出場、交代出場を問わず、パワーと高さがあり、ロングボールや混戦から失点を喫するリスクを常に抱えていた。谷口は特に191センチのソリ・カバ(元ギニア代表)、後半からピッチに入った195センチのチュクブイキム・イクウェメシ(ナイジェリア)と激しいデュエルを披露。タイミングの良いジャンプで183センチの谷口が空中戦に勝ったり、彼らの厳しいボディチェックを受けたりしながら、冷静にゴール前を締めた。

「(ルーベンのアフリカ系FWは)強かったですね。自分の感覚で言ったら、あのふたりは今季のベルギーリーグで1位、2位を争うぐらいのフィジカル系のフォワードなので、楽しみにしてました。パワー勝負で負けないところと、駆け引きで上回るところはできた部分と、(ボールを)うまく収められた部分があったので、そのへんはもう少し自分の中でもこだわっていかないといけない」

 持ち味のカバーリングの広さも光った。前がかりに戦うSTVVはちょっとしたパスミス、トラップミスから、一気にカウンターを食らうケースが多い。こうした味方のエラーにも最大の注意を払う谷口がピンチを未然に防いでいた。

「どんな場面であれ顔を出すことができる。そういうところが自分の持ち味のひとつだと思ってます。どこが危ないか、どこをやらせてはいけないか、そこを常に研ぎ澄ませて今日もやれました。チームとして危ないところをしっかり抑えていく。そこを個人でも察知しながら、ピンチを未然に防ぐ。そして局面で勝つということ。そういったことができていると思ってます」
 
 1対0というスコアの割に、両チームとも多くのシュートを打った。守護神・小久保玲央ブライアンに「今日の試合は両チーム合わせて41本のシュートというスタッツです」と伝えると「おお!」と言って驚いた。

――STVVのシュートが21本、被シュートが20本です

「(ルーベンが)そんなに打ってたんですか? その中で自分は3本くらい(セーブしました)」

 小久保が記録した3度のセーブのうち、2本がチームを救うビッグセーブだった。大王わさびスタイエン・スタディオンの夜空に「レーオ! レーオ!」のコールが響き渡る。

「もちろん(コールは)聞こえてます。やっぱり昨シーズンに比べて選手とサポーターの距離が近くなった。昨シーズン、残留したことで選手とサポーターの距離が近まったのかなと思います。自分の名前を言われるのは嬉しい。だけど、まずはチームのみんなが、サポーターのために走っている姿が大きいのかなと思います。今シーズンはプレーするのが楽しいです」

 昨シーズンのSTVVは崖っぷちのところまで追い込まれながら、奇跡的に1部残留を果たした。修羅場をくぐり抜けたチームとサポーターとの間には新たな絆が育まれ、今季は開幕前から高い期待を集めていた。しかし、まさか21節を終えた時点でSTVVが2位に付けるとは、誰も予想してなかっただろう。

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