「変なプライドは捨てて…」福岡加入決定のU-23日本代表FW道脇豊は、なぜ移籍を決断した? ベルギーでの苦悩と熊本との別れ【現地発】

2026年01月20日 松尾祐希

日韓戦で己の価値を示せるか

福岡への移籍を決断したU-23日本代表のFW道脇。写真:松尾祐希

 日本時間1月19日の18時、ロス五輪世代のエース候補であるFW道脇豊の福岡への完全移籍加入が発表された。

 現在、道脇はU-23日本代表の一員としてU-23アジアカップを戦っている最中。リリースが発表された際は、20日の準決勝・韓国戦に向けて練習を行なっていた。

 もともと噂が報じられていたこともあり、チームメイトたちも移籍に驚きはなかったのだろう。練習後には同年代の気心知れた仲間たちから、「移籍が発表されていたね」と声をかけられる姿があった。

 新天地での新たなスタート、そして韓国戦に向けて闘志を燃やす道脇。ただ、ここに来るまでの道のりは決して平坦ではなかった、

 中学時代から熊本の育成組織に籍を置き、ユース昇格直後の2022年3月に15歳で2種登録選手としてJ2のベンチを経験すると、シーズン終了後にクラブ史上初の飛び級でプロ契約を結んだ。

 世代別代表の常連でもあり、23年夏のU-17アジアカップ、同年秋のU-17ワールドカップにも出場。24年7月には慣れ親しんだ熊本を離れ、期限付き移籍でベルギー2部のベフェレンに加入した。

 希望と夢を胸に海を渡った18歳の夏。だが、順調に事は進まず、初の欧州挑戦では厳しい現実を突きつけられる。1年目のシーズンこそ21試合で7ゴールを挙げたが、2年目は苦しんだ。
 
「ベルギーで試合に出られない。日本人はチームで自分だけだし、難しい状況に身を置いて1年半やってきた」

 誰かに助けを求められるわけではない。愚痴のひとつを吐きたくても、誰かに会って日本語で会話はできない環境。さらに同じロス五輪世代で自分と同時期にヨーロッパにやってきたFW塩貝健人(NEC/オランダ)や、自身より半年前に海を渡ったFW後藤啓介(シント=トロイデン/ベルギー)らが結果を出していくなかで、焦燥感に駆られた。

「どうしても周りの選手と比較してしまうことが多かった。近くにいた塩貝とか後藤が同じフォワードで同じ年代で、もう活躍をしている。そういう焦りはあった」

 自分に言い聞かせるように、辛抱強くチャンスを待った。

「フォワードは点を取って流れに乗ったら変わる。そういう意味では自分もその流れを掴めるチャンスが来るまで、しっかり我慢をしてやるべきことをやっていくだけ」
 

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