【北中米W杯出場国紹介|第8回:エクアドル】強みはベテラン、中堅、若手のバランスが取れていること。躍進の予感漂う注目国だ

2026年01月04日 河治良幸

強度の高いプレッシングとダイナミックな攻撃

最終節でアルゼンチンに勝利。南米予選は2位通過のエクアドル。(C)Getty Images

 エクアドルは南米予選で前回W杯王者のアルゼンチンに次ぐ2位という成績を見ても、同国史上最強チームであることは間違いないだろう。

 2006年大会ではイバン・カビエデスらを擁してベスト16に進出したが、タレント力は当時をはるかにしのぐ。チームを率いるのはアルゼンチン人のセバスティアン・ベッカセセ監督だ。

 プロ選手の経験はないが、若くして指導者を志し、ホルヘ・サンパオリ監督のアシスタントコーチとして2014年大会のチリ代表、18年大会のアルゼンチン代表でW杯を経験した。エクアドル代表の監督を任されたのは2024年の8月。予選での初陣はブラジルに0-1で敗れたが、その後は10戦無敗で、最終節はアルゼンチンに1-0で勝利した。

 現在ウルグアイを率いるマルセロ・ビエルサ監督を師と仰ぐだけあり、強度の高いプレッシングとダイナミックな攻撃を突き詰めている。

 システムは4-2-3-1をベースに4-3-3、4-4-2を使い分けるが、基本的な戦術設計は一貫している。攻守の生命線となるのが、チームの心臓であるモイセス・カイセド(チェルシー)が統率する中盤だ。高いボール奪取力はもちろん、ここでボールを失わないことが、相手陣内に押し込んでいくためのベースになる。

 カイセドの相棒を務めるペドロ・ビテ(プーマス)はメキシコリーグでプレーしており、北中米W杯での躍進の鍵を握る一人だ。
 
 前線では大ベテランとなったFWエネル・バレンシア(パチューカ)が攻撃を牽引する。南米予選では6得点を記録して健在ぶりを見せつけた。両翼からは右ウイングのゴンサロ・プラタ(フラメンゴ)、左のニルソン・アングロ(アンデルレヒト)などが積極的に仕掛けて、エースにラストパスを供給する。

 190センチのサイズを誇るケビン・ロドリゲス(ユニオンSG)がベルギーリーグでも得点を積み重ねていることもあり、本大会では2トップがメインになる可能性もある。

 最終ラインは圧倒的な対人能力を備えるウィリアン・パチョ(パリSG)と欧州メガクラブから関心が集まる21歳のホエル・オルドニェス(クラブ・ブルージュ)のコンビが、中央に鉄壁を築いている。

 右サイドバックのアンヘロ・プレシアード(スパルタ・プラハ)は縦の推進力があり、左は左足のスキルと戦術眼に優れるペルビス・エストゥピニャン(ミラン)と守備力が抜群のピエロ・インカピエ(アーセナル)という、おそらく世界で最も贅沢なポジション争いが繰り広げられている。彼らを最後方から支えるのは経験豊富なGKエルナン・ガリンデス(ウラカン)だ。
 

次ページドイツ、コートジボワール、キュラソーと対戦

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事