ハリルホジッチが日本サッカーに苦言。「Jリーグは下がりながら守備をする。そこはまだまだ問題がある」

2016年08月25日 サッカーダイジェストWeb編集部

"ミス待ち"ではなく、アグレッシブに奪いに行くのが守備の原則。

プロジェクターを用いて30分以上も語ったハリルホジッチ監督。とりわけ守備の改善については語気を強めた。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 8月25日に行なわれたロシアワールドカップ・アジア最終予選のメンバー発表会見で、ハリルホジッチ監督が"独演会"を開いた。
 
 指揮官は、メンバー発表と質疑応答を終えた後、一束の冊子とプロジェクターを用いて、日本サッカーの「アイデンティティ」について30分以上に渡って語った。そのなかで、日本サッカーやJクラブの守備について苦言を呈した。
 
「オリンピックを思い出してください。もしディフェンスをもっと厳しく効果的に行なえば、もっと良い結果が得られたのではないかと思います」
 
 3試合で7失点を喫した手倉森ジャパンを引き合いに出し、守備の重要性を強調。「ボールをどこで、どのように奪うか。ブロックの位置は高いのか、それとも真ん中なのか、低いのか。それは状況によって変わります。ただ、前に行きながら守備をするのが原則です」とし、さらにJリーグで見られる「下がりながら」の守備について、語気を強めて次のように語った。
 
「Jリーグを見るとどうでしょう。引いて低い位置でブロックを敷きますよね。そして、そこで止まっていることが多くないですか? アグレッシブに前に行っていますか? 川崎が少しハイプレスをやりますが、他の多くのチームは待っていますよね。守備は前に行きながらやってほしい。下がりながらではありません。Jリーグは下がりながらやっています。そこはまだまだ問題があります」
 
"ミス待ち"のディフェンスでは、世界で通用しない。そうした強いメッセージを発し、「下がりながらディフェンスすると、結局ボールホルダーから離れてしまいますから、3、4メートル相手離れてしまいますよね。それでは(ボールを奪うのは)不可能です」と改善を求めた。
 
 さらに、「デュエル」についても、「地上戦でも空中戦でもアグレッシブさを求めていかないと成功はありません。Jリーグでは見られませんが、デュエルはベースです」。
 
 Jクラブの指導者や選手にとっては耳の痛い話かもしれないが、ハリルホジッチ監督の話はおおむね賛同できる内容だ。このメッセージが、どのように波及していくのか。今後のJリーグや日本サッカーの動向を見守る必要があるだろう。
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