【日本代表】"出戻り"山口の評価は据え置き。ハリルは「(国内復帰は)まったく喜んでいないが、良い選手を急に手放せない」

2016年08月25日 サッカーダイジェストWeb編集部

山口の評価は、良くても現状維持。この2試合が正念場に。

6月に国内復帰した山口。ハリルホジッチ監督は、「ボールを奪う能力」に期待を寄せているが……。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

 日本サッカー協会が8月25日、ロシアワールドカップ・アジア最終予選(9月1日:UAE戦、6日:タイ戦)に挑む24人のメンバーを発表した。
 
 本田圭佑や香川真司といった欧州組の常連が招集されるなか、今年6月にドイツのハノーファーからJ2のC大阪に古巣復帰した山口蛍もメンバー入り。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は、山口の国内復帰に否定的だっただけに、メンバー発表会見では、このボランチの招集に関して質問が飛んだ。
 
――山口選手がJ2に戻って監督も落胆されていたようですが、招集した理由をお願いします。
 
 この質問に対して指揮官は以下のように答えた。
 
「蛍に関してはまったく喜んでいません。彼を元気づけるためにドイツに行き、『伸びるために残って先発を勝ち取ってほしい』とも伝えました。そして、そのために必要なクオリティは全部持っていたはずです。ドイツのようなリーグ戦でしっかり戦えば、A代表にとって興味深い選手になるはずでした。しかし、メンタルの面でしっかりアダプトできなかったという状況ですよね」
 
 本人と面談してドイツ残留の意思を伝えたものの、その希望が叶わなかったと明かし、次のように続けた。
 
「ですが、これは本人が決めることです。代表監督として言うならば、良い選手を急に手放すことはできません。毎回、A代表で素晴らしいクオリティを示してくれています。蛍のようにしっかりボールを奪える選手はなかなかいない。彼がどのようにJ2でプレーしているかも3回見てきました。私が嬉しくないというのは示しましたが、彼が良いプレーヤーだからここにいるわけです」
 
 国内復帰に落胆しながら、「3回」も視察したのは高い期待の現われだろう。山口の「ボールを奪う」能力は確かに日本代表にとって貴重だ。
 
 とはいえ、「リスクもなく、楽にプレーできる」(ハリルホジッチ監督)Jリーグへの復帰を選んだ山口の評価が上がっているとは思えない。良くても現状維持。日本代表にとって極めて重要な最終予選の2試合は、山口にとっても正念場になりそうだ。
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