国内組に手厳しい指揮官も今後の躍進を予測。大島はボランチの座を掴めるか?

2016年08月25日 小田智史(サッカーダイジェスト)

「満足させてくれる選手」が少ない国内組の中でも、「将来、A代表に何かをもたらす」存在。

グループリーグ敗退に終わった手倉森ジャパンで、大島は間違いなくチームの中心にいた。世界大会で選手としてひと皮剥けた感がある。 写真:JMPA/小倉直樹

 リオ五輪の手倉森ジャパンは、間違いなく大島僚太を中心に回っていた。世界大会で株を上げた彼が、6月のキリンカップに続き、9月1日(UAE戦)、6日(タイ戦)のワールドカップ最終予選メンバーに名を連ねたのはもはや必然だろう。
 
 ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は、国内組に対して「私を満足させてくれる選手がたくさんいるかと言われれば、そうは感じていない」とかなり手厳しい。「A代表で準備ができている選手が少ない」と話すなかで、招集するのだからそれだけ大島への期待の大きさが窺える。
 
「オオシマは若い選手ですが、かなりのクオリティがあると思っています」
 
 ハリルホジッチ監督は、キリンカップに選出した時点で、大島が「オリンピックで活躍する」「今後A代表に入り続ける可能性がある」と予測していたという。その予測は先のリオ五輪で現実のものとなり、「若手を信頼して良かった」と今回改めて招集するに至った。
 
 当の大島も、リオ五輪でひと皮剥けた印象がある。身長168センチの小さな身体で世界の大男たちを手玉に取るだけではない。これまで目立つことを好まなかったシャイな男が、自分なりに自己主張をしてチームを牽引する姿は、グループリーグ敗退に終わった手倉森ジャパンの中で強烈なインパクトを残した。大会後、大島は今後の成長への意欲を次のように語っている。
 
「もっとサッカーを上手くなって、いろんな選手に通用するようになりたいなと。僕は僕が成長できる環境に行きたい」
 
 年代別代表での挑戦が終わった今、次なる舞台はA代表しかない。ハリルホジッチ監督が「将来、大島と浅野がA代表に何かをもたらす可能性は高い」と話すように、リオ五輪世代の大島が長谷部誠や柏木陽介、山口蛍らとのボランチ争いに割って入ったら――。9月シリーズで初キャップを刻めるか、次なるステップに進むための登竜門になりそうだ。
 
文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)

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