【日本代表】9月シリーズでサプライズ選出がなかった理由

2016年08月25日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

「欧州組を脅かすような国内組が出てきてほしいが…」(ハリルホジッチ監督)

ハリルホジッチ監督はどんなメンバーでUAE戦に臨むのか。(C)SOCCER DIGEST

 9月のワールドカップ・アジア最終予選(1日のUAE戦、6日のタイ戦)に向け、メンバー発表が行なわれた。バックアップメンバーはさて置き、招集された24名のなかにニューフェイスはひとりもなかったが、そうなった理由は大きく分けてふたつあるだろう。

【PHOTO】アジア最終予選に向けたメンバー24人
 
 ひとつは、ハリルホジッチ監督を満足させる国内組が少ない点だ。実際、指揮官は次のように話している。(ハリルホジッチ監督のコメントは8月25日発売のサッカーダイジェストから一部抜粋)
 
「欧州組を脅かすような国内組が出てきてほしい。しかし、現状は厳しい。毎節、スタッフと一緒にJリーグの試合を視察して、候補者を確認し、上がってくるレポートにも目を通しますが、A代表が求めているクオリティを発揮している選手はほとんどいません」
 
 確かに、頷ける部分はある。リオ五輪の戦いぶりを見ても、目立っていたのは浅野、大島とすでにA代表歴のある選手たちだった。
 
「何人かの選手には野心を持ってやってほしいと働きかけたりもしていますが、まだまだすべての選手の努力が必要です。もちろん、努力はしていると思いますが、十分ではない。A代表ではもっとやってほしい」
 
 代表未招集のJリーガーにも期待しているものの、A代表のレベルに達している選手がいないのがハリルホジッチ監督の結論のようだ。ただ、ある意味無難な招集メンバーになった背景にはより深刻な問題がある。それがふたつ目の理由──準備期間の短さである。
 
「UAEはスペインでおよそ2か月の合宿を終えた後、中国でも合宿をするようです。しかし、日本はJリーグの真っ只中で、欧州組は試合の2日前に合流するかもしれません。UAEのほうが我々より長い時間をかけてトレーニングしているのは看過できない問題です」
 
 メンバー発表の8月25日から1週間後には、埼玉スタジアム2002でアジア最終予選の初戦・UAE戦が開催される。おそらく今回、チームとしてまともに練習できるのは2~3日。そう考えると、テストなどしている時間はないので、これまでハリルホジッチ監督が戦術を落とし込んできた選手で固められるのは必然なのだ。
 
 6大会連続のワールドカップ出場を目指すうえで、9月の2連戦で敗北は許されない。
 
「UAEとの初戦が一番大事で、引き分けもダメ」(清武)
 
「やはりスタートダッシュが大事。9月の2試合(UAE戦とタイ戦)で勝点6を獲ることは絶対条件です」(長谷部)
 
 果たして、短い準備期間というハンデを乗り越え、ハリルジャパンはUAE戦をモノにできるか。
 
文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
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