前半途中に右太ももの怪我が悪化
鹿児島城西のエースとして奮闘した大石。世代屈指のストライカーは、卒業後は筑波大に進学する。写真:松尾祐希
昨季の今頃は、輝かしい高校ラストイヤーを信じて疑わなかった。FW大石脩斗(3年)は鹿児島城西の8年ぶりとなる高校サッカー選手権出場に貢献。予選決勝では神村学園から先制点を挙げ、一躍ヒーローとなった。
残念ながら冬の大舞台では初戦敗退となったものの、掴んだ自信は揺るがない。世代別代表にも招集され、確かな手応えがあった。そして、迎えた今季。思い描いた結果とはならず、チームとしても個人としても悔いが残った。
インターハイは神村学園に県予選決勝で敗北。ライバル校は本大会で初の日本一を勝ち取った。リベンジを果たすために、大石はさらなる成長を期したが、8月末に右足首を疲労骨折。185センチの高さとスピードを活かしたプレーに磨きをかけようとしていた矢先に、無念の離脱となった。
なんとか選手権予選に間に合ったものの、準決勝で再び負傷。右太ももの肉離れ。中1日で迎えた決勝は途中から出場したが、神村学園にまたしても敗れた。
だからこそ、最後の戦いとなるU-18高円宮杯プレミアリーグ参入プレーオフはなんとしてでも勝ちたかった。後輩のため、仲間のため、お世話になった人たちのため。コンディションが戻っていないなかでも新田祐輔監督に直訴し、12月12日の参入プレーオフ1回戦ではスタートからピッチに立った。
堅守に定評がある米子北に対し、最前線で起点を作ろうとしたが、思うようにプレーできない。ボールが入りそうになれば2人がかりでマークされ、自由に受けられなかった。追い打ちをかけるように前半途中に右太ももの怪我が悪化。運動量が落ち、ゴール前でフィニッシュに持ち込めず、シュートすら打たせてもらえなかった。
結果は0-2の敗戦。終了のホイッスルが鳴ると、大石は人目をはばからずに涙を流した。高校ラストマッチも期待に応えられず、試合後は言葉にならない感情が次から次に込み上げてくる。
残念ながら冬の大舞台では初戦敗退となったものの、掴んだ自信は揺るがない。世代別代表にも招集され、確かな手応えがあった。そして、迎えた今季。思い描いた結果とはならず、チームとしても個人としても悔いが残った。
インターハイは神村学園に県予選決勝で敗北。ライバル校は本大会で初の日本一を勝ち取った。リベンジを果たすために、大石はさらなる成長を期したが、8月末に右足首を疲労骨折。185センチの高さとスピードを活かしたプレーに磨きをかけようとしていた矢先に、無念の離脱となった。
なんとか選手権予選に間に合ったものの、準決勝で再び負傷。右太ももの肉離れ。中1日で迎えた決勝は途中から出場したが、神村学園にまたしても敗れた。
だからこそ、最後の戦いとなるU-18高円宮杯プレミアリーグ参入プレーオフはなんとしてでも勝ちたかった。後輩のため、仲間のため、お世話になった人たちのため。コンディションが戻っていないなかでも新田祐輔監督に直訴し、12月12日の参入プレーオフ1回戦ではスタートからピッチに立った。
堅守に定評がある米子北に対し、最前線で起点を作ろうとしたが、思うようにプレーできない。ボールが入りそうになれば2人がかりでマークされ、自由に受けられなかった。追い打ちをかけるように前半途中に右太ももの怪我が悪化。運動量が落ち、ゴール前でフィニッシュに持ち込めず、シュートすら打たせてもらえなかった。
結果は0-2の敗戦。終了のホイッスルが鳴ると、大石は人目をはばからずに涙を流した。高校ラストマッチも期待に応えられず、試合後は言葉にならない感情が次から次に込み上げてくる。
試合後の取材では、口を開くまでに30秒以上の沈黙があった。振り絞って出てきた言葉は「自分の責任」。悔しさを滲ませ、「エースとしてチームを勝たせられなくて申し訳ない」と話した。
J1の複数クラブが獲得に動いていた逸材は、卒業後は筑波大へ進学する。
「怪我しない身体を作るべきだったし、怪我した後も自分なりにやったつもりだったけど、もっとやれたことがあったかもしれない」と後悔はあるが、悔しさを晴らすためにも、高校時代の経験は無駄にできない。
2年後にはU-20ワールドカップ、28年にはロサンゼルス五輪もある。さらにその先のA代表も含め、次のステージで活躍するだけのポテンシャルを秘めたストライカーは、大学でどんな進化を遂げるのか。
下を向いている時間はない。戦いは始まったばかりだ。
取材・文●松尾祐希(サッカーライター)
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「怪我しない身体を作るべきだったし、怪我した後も自分なりにやったつもりだったけど、もっとやれたことがあったかもしれない」と後悔はあるが、悔しさを晴らすためにも、高校時代の経験は無駄にできない。
2年後にはU-20ワールドカップ、28年にはロサンゼルス五輪もある。さらにその先のA代表も含め、次のステージで活躍するだけのポテンシャルを秘めたストライカーは、大学でどんな進化を遂げるのか。
下を向いている時間はない。戦いは始まったばかりだ。
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