【横浜】初黒星に警鐘を鳴らす中澤。「ウチの良さが徐々に消されてきている」

2016年08月21日 橋本啓(サッカーダイジェスト)

「もう少し攻守のバランスはとっていかないといけない」(中澤)

キャプテンの中澤(22番)は、第2ステージでの初黒星を受けて危機感を顕示。攻撃面や試合を通じての戦い方への改善点を述べた。写真:徳原隆元

[J1第2ステージ9節]FC東京1-0横浜/8月20日/味スタ

【FC東京 1-0 横浜PHOTO】東が渾身の決勝弾!横浜は第2Sの無敗が8でストップ
 
 アウェーに乗り込んだJ1第2ステージ9節のFC東京戦に、横浜は0-1で敗れた。
 
「我々はポゼッションしていたが、決定的なチャンスになかなかつなげられなかった」(エリク・モンバエルツ監督)
 
 敗因は、まさにこの言葉どおりだろう。出足の鋭いプレスを仕掛けて主導権を握り、サイドハーフの齋藤学、マルティノスの打開力を活かしながら展開した攻めは実に痛快だったが、最終局面での精度不足に泣いた。
 
 リズムを掴んだなかで、チャンスを仕留められなかったのは、なにより悔やまれる。14分には、相手のPA内に上手く侵入した天野純に決定機が訪れるなど、ゴールが生まれそうな気配は漂っていた。しかし――。
 
 アタッキングサードまでボールは運べど、中央を固めた相手を崩し切れない。そうしているうちに、前半終了間際に一瞬の隙を突かれてムリキとのパス交換で中央突破した東慶悟に先制点を決められてしまう。
 
結局、「相手のやりたいような試合をやられてしまった」(伊藤翔)横浜は、有効な手立てを打てず、試合終了のホイッスルを聞いた。
 
「自分のところで時間をかけて展開する形はできていたんですけど、なかなかリターンパスが入ってこなくて。単発で終わりみたいな形になるのが多かった」
 
 攻撃の出来をこう振り返った齋藤は、切れ味鋭いドリブルを何度も披露し、敵に脅威を与えていた。それ自体は悪くなかったが、味方との連係で崩す、あるいは、DFを引きつけてラストパスを供給する形にまでは至らなかった。
 
 また、齋藤の言葉に同調するように、主将の中澤佑二も、やはり攻撃面の課題を指摘した。
 
「ドリブルだけじゃダメ。(1トップの)カイケにボールが入っても、味方のサポートがなかったし、クロスが入った時にしても、ゴール前にもっと人数をかけるとか改善が必要」
 
「良い形で攻めている時に限って、ああいう形で失点してしまう。もう少し攻守のバランスはとっていかないといけない」と、90分を通じた戦い方にも課題を指摘した中澤は、第2ステージで初黒星を喫したチームに喝を入れるように、こう警鐘を鳴らす。
 
「ここ数試合は引き分けが多いし、年間勝点は上位のチームと離されている。そのなかでウチの良さも徐々に消されてしまっている」
 
 第2ステージでは開幕3連勝とスタートダッシュに成功したが、中澤が指摘するように、直近の5試合は1勝1敗3分けと勝ち切れていない。悪天候にもかかわらず、多くのサポーターがアウェースタンドに詰めかけた一戦で露呈した課題を、果たして克服できるのか――。
 
 次節の相手は、第1ステージ王者の鹿島。敗戦後の試合でどのような戦いを演じられるか、真価が問われようとしている。
 
 
取材・文:橋本 啓(サッカーダイジェスト編集部)
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