南野のプレーは堂に入っていた
ガーナ、ボリビアに連勝した日本代表。写真:金子拓弥 (サッカーダイジェスト写真部)
11月シリーズ、森保ジャパンは主力が揃っていなかった。満身創痍は言い過ぎだろうが、とにかくケガ人が多く出て、メンバーから外れている。守田英正、三笘薫、鈴木彩艶、町田浩樹、伊東純也などは顕著な例で、冨安健洋のように無所属で再出発しているケースもある。
選ばれている選手でも、リバプールの遠藤航のように所属クラブで不遇だったり、久保建英、板倉滉のように復帰直後だったり、万全ではない選手も少なくない状況だった。
もっとも、怪我の功名だろうか。バックアップに入った選手たちが、十分な実力を見せている。
その筆頭と言えるのが、MF佐野海舟だろう。中盤で攻守を司るように、相手攻撃を潰す一方、迅速な攻撃に転じられる。直近のガーナ戦も、中盤で相手ボールを味方と挟み込んで奪った後、久保建英からのリターンを受けると、力強いドリブルで持ち運び、マークを外していた南野拓実を見つけ、貴重な先制点につなげていた。
佐野は腰から尻、ハムストリングが強く、下半身が崩れない。それが出足の良さにもつながって大きなパワーを生み出し、球際の応酬で勝利できる。戦術眼にも長けるだけにパスの軌道を読みながら、最善のポジションを取って獲物の急所を見極めたように飛び込める。技術は派手さがなく堅実だが、周りを生かし、輝かせるためにドリブル、パスを使える。
「遠藤の代役不在」
それが代表の難問として長らく突きつけられてきたが、佐野の台頭で解消できたと言えるだろう。今シーズンだけのプレーを考えるなら、プレミアリーグでほとんどピッチに立っていない遠藤よりも上かもしれない。それほど、中盤での存在感は際立っている。
選ばれている選手でも、リバプールの遠藤航のように所属クラブで不遇だったり、久保建英、板倉滉のように復帰直後だったり、万全ではない選手も少なくない状況だった。
もっとも、怪我の功名だろうか。バックアップに入った選手たちが、十分な実力を見せている。
その筆頭と言えるのが、MF佐野海舟だろう。中盤で攻守を司るように、相手攻撃を潰す一方、迅速な攻撃に転じられる。直近のガーナ戦も、中盤で相手ボールを味方と挟み込んで奪った後、久保建英からのリターンを受けると、力強いドリブルで持ち運び、マークを外していた南野拓実を見つけ、貴重な先制点につなげていた。
佐野は腰から尻、ハムストリングが強く、下半身が崩れない。それが出足の良さにもつながって大きなパワーを生み出し、球際の応酬で勝利できる。戦術眼にも長けるだけにパスの軌道を読みながら、最善のポジションを取って獲物の急所を見極めたように飛び込める。技術は派手さがなく堅実だが、周りを生かし、輝かせるためにドリブル、パスを使える。
「遠藤の代役不在」
それが代表の難問として長らく突きつけられてきたが、佐野の台頭で解消できたと言えるだろう。今シーズンだけのプレーを考えるなら、プレミアリーグでほとんどピッチに立っていない遠藤よりも上かもしれない。それほど、中盤での存在感は際立っている。
そのガーナ戦では、FW後藤啓介、MF北野颯太、佐藤龍之介、藤田譲瑠チマ、DF渡辺剛、鈴木淳之介、GK早川友喜などが出場し、選手層を確実に厚くしていた。率直に言って、主力選手と比べると彼らは精度も強度も足りない。しかし、オプションの一つにはなってきた。
「新しい選手が入ってピッチに立ち、勝ちを重ねるのはいい」
多くの選手が、新陳代謝が進んでいることを評価していた。その突き上げが、中堅やベテランと言われる選手たちの士気も高める。たとえば、南野のプレーは堂に入っていた。ボールを呼び込み、シュートする。その単純な動作の静謐さというのか。技術だけでなく、重ねた経験による落ち着きを感じさせ、それが代表での連続試合得点につながっていた。
次世代と現役世代の融合のサイクルが、森保ジャパンの力になることは間違いない。
文●小宮良之
【著者プロフィール】こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月に『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たし、2020年12月には新作『氷上のフェニックス』が上梓された。
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「新しい選手が入ってピッチに立ち、勝ちを重ねるのはいい」
多くの選手が、新陳代謝が進んでいることを評価していた。その突き上げが、中堅やベテランと言われる選手たちの士気も高める。たとえば、南野のプレーは堂に入っていた。ボールを呼び込み、シュートする。その単純な動作の静謐さというのか。技術だけでなく、重ねた経験による落ち着きを感じさせ、それが代表での連続試合得点につながっていた。
次世代と現役世代の融合のサイクルが、森保ジャパンの力になることは間違いない。
文●小宮良之
【著者プロフィール】こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月に『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たし、2020年12月には新作『氷上のフェニックス』が上梓された。
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