「めちゃくちゃ強い」北朝鮮を撃破し14年ぶりの8強入りへ。“3度目の正直弾”で大会初得点のU-17浅田大翔は「自分が点を取っていけばチームも勝てる」【現地発】

2025年11月18日 松尾祐希

「ここから波に乗っていきたい」

南ア戦で魂のゴールを決めた浅田。8強進出に気合を入れる。写真:松尾祐希

 何度阻まれても関係ない。がむしゃらにゴールを狙い続けた結果、生まれた待望のU-17ワールドカップ初得点だった。

 11月15日に行なわれたノックアウトステージの1回戦。3-0で勝利した南アフリカ戦における最大のトピックは、FW陣がゴールを奪ったことだろう。

 グループステージで無得点に終わったFW吉田湊海(鹿島ユース)とFW浅田大翔(横浜)がそれぞれ得点。とりわけ浅田の先制点は、試合の流れを引き寄せるだけではなく、魂を感じさせる一撃だった。

 スコアレスで迎えた48分、右サイドを抜け出したMF平島大悟(鹿島ユース)が中央に折り返すと、浅田がニアで合わせる。ダイレクトで右足を振り抜いたが、GKの正面を突いてしまう。こぼれ球を拾って左足でシュートも、またしてもGKに止められる。それでも諦めない浅田は3回目のシュートにトライ。右足でなんとか押し込んだ。

 試合後はドーピング検査の対象で取材対応がなく、16日の練習は室内での調整。ゴールの喜びをメディアの前で話したのは17日のトレーニング後。「本当にゴールはついてましたね」と笑顔で振り返る浅田からは充実感が伝わってきた。

 4月のU-17アジアカップ(U-17ワールドカップのアジア最終予選)ではキャプテンマークを託されるなど、信頼され、本人の責任感もチームのために戦う思いも強い。無得点が続く流れにもどかしさを感じていた。だからこそ、南アフリカ戦のゴールは格別。そして、自分自身に勢いをもたらす一発でもある。

「1点取れたので、ここから波に乗っていきたい。チームを勝たせるのが自分にとって一番。その役割は大きいし、自分が点を取っていけばチームも勝てると思う。そこはしっかり次に繋げて頑張りたい」
 
 次なる相手は、同じアジアの北朝鮮。球際の攻防に強く、ゴールに向かってくる迫力は凄まじい。ラウンド32ではベネズエラを2-1で撃破している。さらに言えば、何をしてくるか分からない"未知数な雰囲気"もある。いずれにせよ、厄介な相手に変わりはない。

 浅田は「(チームが)強くなっている手応えはある」と力を込め、「緩みが出たら絶対に上にいけない」と気を引き締めつつ、積み重ねてきた自信は揺るがない。

「めちゃくちゃ強い相手。でも、自分たちは組織としても個人としても気持ち的に負けていない。しっかり勝って、さらに上に行きたいです」

 北朝鮮に勝てば、2011年大会以来のベスト8進出となる。A代表やU-20世代のワールドカップも含め、日本は何度も"16強の壁"に阻まれてきた。そうした呪縛を解き放つためにも、浅田の爆発が必須。マリノスで育ってきた男はチームに歓喜をもたらすべく、貪欲にゴールを目ざし続ける。

取材・文●松尾祐希(サッカーライター)

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