苦しんだ決勝。試合後は指揮官も珍しくガッツポーズ
昌平が埼玉決勝の激闘を制し、2年ぶり7度目の優勝を飾った。写真:福冨倖希
第104回全国高校サッカー選手権埼玉大会は11月16日、埼玉スタジアムで昌平と武南による初顔合わせの決勝が行なわれ、昌平が1-0で競り勝ち、2年ぶり7度目の優勝を飾った。これで全国高校総体(インターハイ)予選との2冠を獲得。武南は埼玉県勢の最多出場記録更新がかかっていたが、15度目の参陣はならなかった。
埼玉の私立で初めてインターハイを制した昌平。埼玉の私学として全国高校選手権初優勝を成し遂げた武南。新旧の強豪が演じた激闘は、後半追加タイムに唯一の得点が生まれるほど、最終決戦にふさわしい実力伯仲の内容だった。
苦しめば苦しむほど、歓喜の表現はオーバーになる。タイムアップの長い笛がスタジアムに響き渡ると、今春就任したばかりの昌平・芦田徹監督は、珍しくガッツポーズをつくって大喜びした。
初戦の準々決勝は浦和学院に2度先行されてのPK戦勝利で、成徳深谷との準決勝は逆転勝ちだ。この2試合を見る限り、昨年までのすごみや威圧感、絶対王者の風格はどこにもなかった。
埼玉の私立で初めてインターハイを制した昌平。埼玉の私学として全国高校選手権初優勝を成し遂げた武南。新旧の強豪が演じた激闘は、後半追加タイムに唯一の得点が生まれるほど、最終決戦にふさわしい実力伯仲の内容だった。
苦しめば苦しむほど、歓喜の表現はオーバーになる。タイムアップの長い笛がスタジアムに響き渡ると、今春就任したばかりの昌平・芦田徹監督は、珍しくガッツポーズをつくって大喜びした。
初戦の準々決勝は浦和学院に2度先行されてのPK戦勝利で、成徳深谷との準決勝は逆転勝ちだ。この2試合を見る限り、昨年までのすごみや威圧感、絶対王者の風格はどこにもなかった。
決勝にしても、シュート8本は武南のほぼ半数で決定打は3本だけ。圧倒的な個人技でボールを運び、敵のマークをはがして守備を切り裂く一連の作業ができなかった。
「武南は自信を持ってボールを保持していたが、うちは局面で負けてこぼれ球も拾えなかった。プレーの選択肢はもっとあったはずだが、それができずに試合を難しくしたと思います。長いボールも多くなって(前線が)孤立し、こぼれ球を拾えず悪循環に陥ったのはもったいなかったですね」
苦戦の末に制した6月のインターハイ予選決勝の時と同じく、芦田監督の口からは反省の弁が続いた。
武南が出足の一歩でボールに先んじ、ピッチのあちこちに厳しいプレスの網を敷き詰めたからだ。シュートに対しても素早く身体を預けてブロック。長璃喜と山口豪太(ともに3年)の看板MFもほとんど仕事をさせてもらえなかった。
前半3分と8分、後半12分の山口の強シュートはいずれも相手にブロックされ、準決勝で2得点した1年生のエースFW立野京弥が唯一放った後半38分の決定打も、身体を投げ出したCB田村大地(3年)に阻止されてしまう。
「武南は自信を持ってボールを保持していたが、うちは局面で負けてこぼれ球も拾えなかった。プレーの選択肢はもっとあったはずだが、それができずに試合を難しくしたと思います。長いボールも多くなって(前線が)孤立し、こぼれ球を拾えず悪循環に陥ったのはもったいなかったですね」
苦戦の末に制した6月のインターハイ予選決勝の時と同じく、芦田監督の口からは反省の弁が続いた。
武南が出足の一歩でボールに先んじ、ピッチのあちこちに厳しいプレスの網を敷き詰めたからだ。シュートに対しても素早く身体を預けてブロック。長璃喜と山口豪太(ともに3年)の看板MFもほとんど仕事をさせてもらえなかった。
前半3分と8分、後半12分の山口の強シュートはいずれも相手にブロックされ、準決勝で2得点した1年生のエースFW立野京弥が唯一放った後半38分の決定打も、身体を投げ出したCB田村大地(3年)に阻止されてしまう。