思い出すのは2017年の苦い経験。優勝に王手、だからこそ植田直通は気を引き締める「繰り返さないためにも...」【鹿島】

2025年11月08日 渡邊裕樹(サッカーダイジェスト編集部)

「後半のように自分たちが攻めていく」

横浜FC戦もタフに戦い抜いた鹿島の植田。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[J1第36節]鹿島 2-1 横浜FC/11月8日/メルカリスタジアム

 J1で首位に立つ鹿島アントラーズは11月8日、J1第36節で横浜FCとホームで対戦。後半にレオ・セアラと知念慶が得点し、横浜FCの反撃を1点に抑え、2-1で競り勝つ。勝点3を積み上げ、首位の座を堅持した。

 横浜FC戦で、前半を終えて枠内シュートは0本。攻撃面はやや物足りなかった。キャプテンマークを巻いてピッチに立ったCB植田直通は「負けない戦い方を選んでいたと思う」と語る。

 直近3試合はいずれもドロー。そうした結果も横浜FCに影響していたのかもしれない。植田は「硬さも今日はちょっと出ていた」と振り返る。

 ただ、鬼木達監督の采配と、選手たちがピッチ内で課題を解決できるところが、今季のチームの強さでもある。

 指揮官は後半のスタートから小池龍太に代え、濃野公人を送り出し、右サイドの活性化に着手。知念や三竿健斗らボランチからの縦パスも増やし、CBのキム・テヒョンが果敢な攻め上がりを見せる。アグレッシブな姿勢を取り戻したチームは、敵陣でのプレー時間を増やすと、62分、65分と立て続けにネットを揺らした。
 
 最終ラインからチームを支えた植田も、以下のように手応えを語った。

「今日やってみて、そういう(消極的な)姿勢じゃダメだなというのはみんなも分かっただろうし、後半のように自分たちが攻めていく、そういう姿勢を見せることによって自分たちのサッカーができると思う。その姿勢を今日、見せれたっていうのは、次の試合につながるかなと思います」

 鹿島は横浜FCに勝利し、4試合ぶりの白星を飾った。同日に2位の柏レイソルも名古屋グランパスに1-0で勝利し、柏との勝点1差は変わらずも、次節にも優勝が決まる状況でもある。

 タイトルレースで有利な立場にある。だからこそ、植田は自身の経験も踏まえて警鐘を鳴らす。思い起こすのは2017年。勝てばリーグ連覇が決まる最終節で、ジュビロ磐田と0-0で引き分けて、鬼木監督が当時率いていた川崎フロンターレに逆転優勝を許した。

「他の選手には同じ経験をさせたくないっていう思いが強いです。当時の苦い経験があるからこそ、自分たちは強くなれたと今は思っています。でも、あれを繰り返さないためにも、自分たちが経験してきたことを全部伝えていきたいと思います」

 11月30日に行なわれる次節の東京ヴェルディ戦までは約3週間の期間がある。

「この期間でもまだ成長できる部分はある。この期間でどれだけ成長できるかにもよると思うので、しっかりとチームの今までやってきたことプラス、もっとできることを増やす。それに集中していきたい」

 ここまでの36試合すべてにフルタイム出場を続ける大黒柱には一分の隙もない。

取材・文●渡邊裕樹(サッカーダイジェスト編集部)

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