これ以上ない腕試しの相手。現代表のトップタレントたちの力を結集して、ブラジルのゴールをこじ開けたい【日本代表】

2025年10月13日 元川悦子

13回対戦し、0勝2分け11敗

ショートカウンターならスピードタイプが必要。伊東はパラグアイ戦に続いて先発なるか。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

 2026年北中米ワールドカップまで約8か月。大舞台で躍進を目ざす日本代表にとって、10月14日に東京スタジアム(味スタ)で対峙するブラジルは、最高の腕試しの相手と言っていい。

「自分らができることを最大限にやること。まずそれをぶつけて、現在地を知ることが大事だと思います」と、先発が確実視されるエースFW上田綺世(フェイエノールト)も試合の意味を語っていた。10日にブラジルを相手に0-5で大敗した韓国はいくつかのミスが散見されたが、そうならないようにチームとしてやるべきことを明確に整理して挑むことが重要だ。

 9月のアメリカ戦(0-2)、直近のパラグアイ戦(2-2)でそれぞれ2失点している守備の再構築は、まず大きなテーマ。南野拓実(モナコ)も「ワールドカップのシミュレーションを考えても、最低でも1失点で終えないといけない。前半はとにかくゼロで進めたい」と話していたが、ブラジル戦では序盤からのゲームコントロールが重要なポイントになってくる。

 堅守をベースにしつつ、考えなければならないのが、いかにして得点するかだ。

 日本はブラジルと過去13回対戦しているが、0勝2分け11敗と一度も勝利できていない。得点にフォーカスすると、計5点のみ。この記録を見るだけでも、サッカー王国からゴールを挙げることのハードルがどれだけ高いかがよく分かる。
 
 2022年6月に国立競技場で行なわれたブラジル戦に出場している南野も「これ(ゴールを奪うこと)はなかなか難しい」と本音を吐露した。そのうえで「ゴール前にボールが刺さった時、周りがうまく動いてガチャっとしたところを奪い返してチャンスにつなげるとか。そういうところは良いイメージがある。ビルドアップでキレイにゴールなんていうのはそうそうないですし、ショートカウンターとか、押し込んだところでちょっとラッキーなシュートとか、そういう形かなと思います」と、しぶとく粘り強く局面をこじ開ける重要性を説いていた。

 南野が言及した「ショートカウンター」については、攻撃陣の多くが強調している点。伊東純也(ヘンク)も「攻め込まれる分、こっちも素早く、うまく使えればチャンスを作れるんじゃないかなと。低い位置でうまくボールを取って、裏にスペースがあるんで、そういうところに人数をかけて飛び出せればいい」と具体的なイメージを描いていた。

 カウンターを繰り出すためには、どうしても爆発的なスピードと縦への推進力を備えた選手が必要になる。その筆頭である前田大然(セルティック)が今回、左足の張りを訴えて離脱してしまったため、やはり伊東に託される部分が大きくなりそうだ。

 その伊東はパラグアイ戦にフル出場しているため、ブラジル戦でも先発できるかは微妙な情勢。ただ、本人は「続けて頭から? やれと言われたらやります」と毅然と語っており、出場に意欲を示した。
 

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