目指したルヴァンカップの決勝進出はならず
佐々木は身体を張り続けたが、最終盤、マークした細谷に決勝弾を奪われた。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)
[ルヴァンカップ・準決勝・第2戦]柏 4-1 川崎(トータルスコア:柏 5-4 川崎)/10月12日/三協フロンテア柏スタジアム
ホームでの第1戦を3-1で制していただけに、川崎にとってはショッキングな敗戦だ。
ルヴァンカップの決勝進出を懸けてアウェーで柏との準決勝第2戦に臨んだ川崎は、開始4分に脇坂泰斗のゴールで先制しながら56分のCBフィリップ・ウレモヴィッチの一発退場で劣勢に立たされ、1-4の逆転負け。トータルスコアでも4-5と逆転され、2度目の大会制覇の夢は潰えた。
試合後のサポーターへの挨拶の際、悔しそうな表情とともにタオルで顔を覆ったのが、相棒のウレモヴィッチの退場後も最終ラインを牽引し続けた佐々木旭だ。
「2年前に天皇杯をひとつ獲りましたが、その決勝に自分は出てないですし、フロンターレでタイトルを獲りたいという気持ちはすごく強かった。リーグがなかなか厳しい状況で(首位と勝点12差の7位)ルヴァンに懸ける想いが強かったので、獲れなくてすごく悔しいです」
大卒4年目、25歳の佐々木は、かつては怪我や体調不良で欠場が続くことがあったが、今季は逞しく成長。シーズン前半は主に右SBを務め、後輩の高井幸大が海外挑戦した夏以降は、CBとしても奮闘を続けてきた。
この日もウレモヴィッチの退場直後に投入されたユース上がり1年目のCB土屋櫂大、大卒1年目のCB神橋良汰に声をかけながら5-3-1のようにシフトしたチームを鼓舞し続けた。
しかし、佐々木の足も限界だったのだろう。攻撃参加した際には一時、足を引きずるような素振りも見せた。だが、満身創痍なのは他の仲間たちも一緒と言わんばかりにピッチで戦い続ける佐々木の姿があった。それでも佐々木は最終盤、ペナルティエリアでマークした柏のFW細谷真大に上手くターンされて決勝弾を奪われ、チームも力尽きた。
ホームでの第1戦を3-1で制していただけに、川崎にとってはショッキングな敗戦だ。
ルヴァンカップの決勝進出を懸けてアウェーで柏との準決勝第2戦に臨んだ川崎は、開始4分に脇坂泰斗のゴールで先制しながら56分のCBフィリップ・ウレモヴィッチの一発退場で劣勢に立たされ、1-4の逆転負け。トータルスコアでも4-5と逆転され、2度目の大会制覇の夢は潰えた。
試合後のサポーターへの挨拶の際、悔しそうな表情とともにタオルで顔を覆ったのが、相棒のウレモヴィッチの退場後も最終ラインを牽引し続けた佐々木旭だ。
「2年前に天皇杯をひとつ獲りましたが、その決勝に自分は出てないですし、フロンターレでタイトルを獲りたいという気持ちはすごく強かった。リーグがなかなか厳しい状況で(首位と勝点12差の7位)ルヴァンに懸ける想いが強かったので、獲れなくてすごく悔しいです」
大卒4年目、25歳の佐々木は、かつては怪我や体調不良で欠場が続くことがあったが、今季は逞しく成長。シーズン前半は主に右SBを務め、後輩の高井幸大が海外挑戦した夏以降は、CBとしても奮闘を続けてきた。
この日もウレモヴィッチの退場直後に投入されたユース上がり1年目のCB土屋櫂大、大卒1年目のCB神橋良汰に声をかけながら5-3-1のようにシフトしたチームを鼓舞し続けた。
しかし、佐々木の足も限界だったのだろう。攻撃参加した際には一時、足を引きずるような素振りも見せた。だが、満身創痍なのは他の仲間たちも一緒と言わんばかりにピッチで戦い続ける佐々木の姿があった。それでも佐々木は最終盤、ペナルティエリアでマークした柏のFW細谷真大に上手くターンされて決勝弾を奪われ、チームも力尽きた。
ベンチで佐々木の異変に気付いていたのは、チーム所属16年目のGK安藤駿介も同様だった。クラブ愛は人一倍強く、「外からでも雰囲気を作ったり、1パーセントでも勝ち上がる可能性を増やしたかった」と声を張り続けた安藤だが、同時に未来ある佐々木へ無理をするなというジェスチャーも送っていた。相手陣内で得たセットプレーの際も、佐々木を心配していた。
「旭も限界に近い状態でプレーしていた。見て分かったとおり足を引きずりながら上下動していた。だから無理に上がる必要もないのではないかという想いもありました」
その気持ちをコーチ陣にも伝えつつ、「あそこで点を取りにいくためには旭を上げなくてはいけない」というコーチ陣の意見も聞いて、安藤はゲームを見守り続けた。
前述のとおり、逆転負けを喫し、悲しむ佐々木に、そっと声をかけたのも安藤だった。
「ヤス(キャプテンの脇坂泰斗)も責任を背負い込んでいると思いますし、旭もかなり責任を背負っている選手。彼は普段からチームのことを考えて行動できる選手なので、なおさら有利な状況で臨んで落としてしまったという責任を感じていると思いました。それでも、アクシデントでひとり少なくなったなかでも、限界をこえて頑張っていた姿を見ていたので『顔を上げて帰ろうよ』ってことは言いました。あの状況でそれがどこまで聞こえているか分からないですが」
チームは春のACLエリートで決勝の舞台で敗れ、リーグ戦も鹿島の後塵を拝し、天皇杯もJ3の相模原に敗れるなど、2年連続での無冠が決定的だ。
それでもチームと酸いも甘いもともにしてきた安藤はこうも続けた。
「正直、今年はタイトルが難しくなってしまい、気持ちの整理がつかないと思いますが、リーグは続くので、それに向けてなんとか気持ちを立て直して、みんなでやっていくしかないと思います。
長い歴史のなかで、もっと悔しい試合もありましたし、それこそ今年の5月にも悔しい試合(ACLエリート)がありました。前まではずっと決勝で負けてきているチームでもありました。
ただ、フロンターレは負けが似合わないチームのはずで、勝ち続けていくチームであるべきで、そうでなきゃいけないとも思います。怪我人も何人かいますが、ここからは改めて一戦一戦を総力戦として向かいたいです。
今日は若いふたりのルーキー(土屋と神橋)が出て、あまりそういうふたりは責任を感じてほしくないですし、下ばっかり向いていても何も落ちていないはずなので、長い目で見たら途中から出たそのふたりのCBが今後チームを背負っていってくれれば、プラスになると思います。
そして個人的には自分のやるべきこと、役割はあるので、そこを100パーセントでやれるように、(リーグは)残り5試合、あっという間に終わってしまうので、1試合も無駄にしないように成長していけたらと思います」
また佐々木も悔しさを嚙みしめながら前を向いた。
「等々力でやれるのもあと少しですし、応援してくれる人たちのためにもしっかり切り替えて、(残りの試合)全部勝つ気持ちでやっていきたいです」
チームのために戦い続ける佐々木、安藤らの行動はきっと良い影響をもたらすはずだ。ルヴァンカップに懸けてきただけに、ショックはかなり大きいに違いないが、この悔しさを川崎はどう力に変えていくのか注目である。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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「旭も限界に近い状態でプレーしていた。見て分かったとおり足を引きずりながら上下動していた。だから無理に上がる必要もないのではないかという想いもありました」
その気持ちをコーチ陣にも伝えつつ、「あそこで点を取りにいくためには旭を上げなくてはいけない」というコーチ陣の意見も聞いて、安藤はゲームを見守り続けた。
前述のとおり、逆転負けを喫し、悲しむ佐々木に、そっと声をかけたのも安藤だった。
「ヤス(キャプテンの脇坂泰斗)も責任を背負い込んでいると思いますし、旭もかなり責任を背負っている選手。彼は普段からチームのことを考えて行動できる選手なので、なおさら有利な状況で臨んで落としてしまったという責任を感じていると思いました。それでも、アクシデントでひとり少なくなったなかでも、限界をこえて頑張っていた姿を見ていたので『顔を上げて帰ろうよ』ってことは言いました。あの状況でそれがどこまで聞こえているか分からないですが」
チームは春のACLエリートで決勝の舞台で敗れ、リーグ戦も鹿島の後塵を拝し、天皇杯もJ3の相模原に敗れるなど、2年連続での無冠が決定的だ。
それでもチームと酸いも甘いもともにしてきた安藤はこうも続けた。
「正直、今年はタイトルが難しくなってしまい、気持ちの整理がつかないと思いますが、リーグは続くので、それに向けてなんとか気持ちを立て直して、みんなでやっていくしかないと思います。
長い歴史のなかで、もっと悔しい試合もありましたし、それこそ今年の5月にも悔しい試合(ACLエリート)がありました。前まではずっと決勝で負けてきているチームでもありました。
ただ、フロンターレは負けが似合わないチームのはずで、勝ち続けていくチームであるべきで、そうでなきゃいけないとも思います。怪我人も何人かいますが、ここからは改めて一戦一戦を総力戦として向かいたいです。
今日は若いふたりのルーキー(土屋と神橋)が出て、あまりそういうふたりは責任を感じてほしくないですし、下ばっかり向いていても何も落ちていないはずなので、長い目で見たら途中から出たそのふたりのCBが今後チームを背負っていってくれれば、プラスになると思います。
そして個人的には自分のやるべきこと、役割はあるので、そこを100パーセントでやれるように、(リーグは)残り5試合、あっという間に終わってしまうので、1試合も無駄にしないように成長していけたらと思います」
また佐々木も悔しさを嚙みしめながら前を向いた。
「等々力でやれるのもあと少しですし、応援してくれる人たちのためにもしっかり切り替えて、(残りの試合)全部勝つ気持ちでやっていきたいです」
チームのために戦い続ける佐々木、安藤らの行動はきっと良い影響をもたらすはずだ。ルヴァンカップに懸けてきただけに、ショックはかなり大きいに違いないが、この悔しさを川崎はどう力に変えていくのか注目である。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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