勝負強さを見せたマドリー! 清武スタメン出場のセビージャは3年連続で敗北

2016年08月10日 サッカーダイジェストWeb編集部

個人の能力を前面に出すマドリーと、ボールを繋ぐセビージャ。

メンバーもプレー内容も、ベストからは程遠かったマドリーだが、タイトルが懸かった際の勝負強さは今回も変わらなかった。 (C) Getty Images

 8月9日(現地時間)、昨シーズンのチャンピオンズ・リーグ王者とヨーロッパリーグ王者によって争われるUEFAスーパーカップが行なわれ、欧州王者のレアル・マドリーが延長戦の末に、セビージャを3-2で下した。
 
 主力の多くを欠いたマドリーだが、開始直後からしばらくは攻勢。8分にはCKからラモスがヘッドで相手DF陣を慌てさせたりもしたが、徐々にセビージャにボールを支配されていく。
 
 今オフで大きく選手が入れ替わったセビージャのスタメンには、怪我の癒えた新加入の清武が名を連ね、攻撃で落ち着いたプレーを見せてボールを味方に繋いでいった。
 
 先制はマドリー。21分にアセンシオが30メートル程の位置から迷わず左足を一閃すると、ボールはゴール左隅に突き刺さった。
 
 セビージャは反撃に転じ、27分にマリアーノがダイレクトボレーを、30分にカリーソが遠めからミドルを放つ。そして41分、ビエットの右からのクロスをビトーロが中央で胸トラップして左に流すと、バスケスがすかさず叩いてゴール右隅にシュートが決まった。
 
 マドリーが手数をかけず、個人の能力を前面に出してスピーディーに攻めるのに対し、セビージャはボールを丁寧に繋いで相手陣内に攻め入る。しかし、ともに攻めのかたちができ上がっていないこと、守備が機能していたことから、決定的なプレーは多くなかった。
 
 後半もそれは同じで、開始直後はマドリーが攻勢に立つも、すぐにセビージャはボールをキープする。
 
 62分のベンゼマを皮切りに、66分にモドリッチ、67分にコノプリャンカと、両チームともに昨シーズンの主力選手を投入。攻撃を活性化させ、ゴールを奪いにいく意思を見せるが、次なる1点はセビージャにもたらされた。
 
 71分、ビトーロが右から仕掛け、ペナルティエリア内でラモスに引っかけられてPKをゲット。キッカーのコノプリャンカは落ち着いてGKキコ・カシージャの逆を突いて勝ち越しに成功した。
 
 逆転を許したマドリーは反撃に転じるも、セビージャの守備を崩し切ることができず、アディショナルタイムに突入。敗色濃厚となったが、93分にL・バスケスのクロスを、攻め上がったフリーのラモスが頭で押し込み、土壇場で同点とした。
 
 試合は延長戦に突入。前半開始から3分、L・バスケスを倒した右SBのコロジエチャクが2度目の警告を受けて退場となり、セビージャは数的不利を強いられることとなる。
 
 これでマドリーがペースを握り、99分にはラモスが再びヘッドでゴールを割るも、これはファウル判定で無効。しかし、後半も攻勢を続け、ハメス、バスケスが立て続けに決定機を得る。
 
 セビージャはこれら多くのピンチを、GKリコの好守とパレハら守備陣の粘りでしのぎ続けたが、PK戦突入と思われた119分、右タッチライン際からドリブルで侵攻してきたカルバハルを誰も止めにいかず、シュートを決められてしまった。
 
 この劇的な一撃で、3-2の勝利を飾ったマドリーは、今シーズン最初のタイトルを獲得。一方のセビージャは3年連続で、スペイン勢(2014年はマドリー、15年はバルセロナ)の前に涙を飲むこととなった。
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事