【岩本輝雄のオタクも納得!】コロンビア戦は50分まではほぼ完璧。OG献上&決定機逸と命運を左右した藤春に採点を付けるなら…

2016年08月08日 岩本輝雄

南野と大島が入って攻撃は活性化された。

途中出場からチームにリズムをもたらした大島(8番)。非凡なボールスキルでポゼッションを高めて、2点差を追いつく原動力となった。写真:JMPA/小倉直樹

 勝つべき試合だったとか、2点差をよく追いついたとか、賛否両論あるゲームだったとは思うけど、自分としてはポジティブに受け止めている。

【リオ五輪PHOTO】コロンビアに2点をリードされるも、浅野と中島のゴールで引き分けに
 
 もちろん、勝点3は欲しかった。でも最終戦に望みはつなげたわけだし、日本は粘り強く戦えていた。内容を見ても、相手を圧倒する時間帯が長かった。とりわけ50分までは、ほぼパーフェクトだった。
 
 ただ、50分を過ぎたあたりからは、少し疲れが見え始めてきた。まずいなと思った矢先に、一瞬の隙を突かれて先制点を奪われると、まさかのオウンゴールでその差は2点に広がってしまう。難しい展開になったわけだけど、でもそこから挽回して、最低限の結果は得られたのだから、その頑張りには素直に拍手を送りたいね。
 
 引き分けに持ち込む原動力になったのは、南野と大島だ。スタメンを張ってもおかしくないふたりをベンチスタートにした采配については、意見が分かれるだろうけど、手倉森監督の狙いとしては、4-4-2で前から積極的に奪いに行き、相手を"ハメて"いくスタイルを目指していたと思う。
 
 献身的にディフェンスをこなす矢島と井手口のスタメン組は、それぞれ攻撃的MF、ボランチとして、指揮官が思い描くサッカーを機能させていたし、流れを引き寄せることにも貢献していた。その意味では、南野と大島をベンチに控えさせる選択は決して間違いではなかったはずだ。
 
 後半の途中からのゲーム展開を読んでいた部分もあったと思う。だいたい、この時間帯からは蹴り合いになることが往々にしてあるけど、いずれも足もとでのボールスキルの高いふたりを投入することで、しっかりとポゼッションしながら日本のペースに引きずり込む意図があったのではないだろうか。
 
 実際、南野と大島が入ると攻撃は活性化されて、日本に勢いが生まれる。そして67分には大島→南野とつなぎ、最後は浅野が反撃の狼煙を上げるゴールを決めてみせる。
 
 さらに、このふたりによってリズムが生まれるなか、それまではわりとワイドに張り気味だった左サイドの中島が中に入ってきてのプレーも多くなってきた。そうした流れから、中島が持ち味のひとつでもあるカットインからの右足シュートをねじ込み、日本は試合を振り出しに戻した。
 

次ページ“あの場面”で藤春はプレーをはっきりすべきだった。

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