神戸加入内定が決まった京都橘高の規格外FW伊藤湊太。日本を代表する選手へ、“物おじしない”逸材が見据える未来

2025年09月30日 森田将義

スカウトも太鼓判を押す将来性

京都橘高FW伊藤の神戸加入内定会見が同校で行なわれた。写真:森田将義

 ヴィッセル神戸は9月29日、2026年シーズンからの新戦力として京都橘高のFW伊藤湊太(3年)の加入内定を発表。京都府京都市の同校で記者会見が行なわれた。

「このサイズ感で、柔らかさとスピードを持った選手はなかなかいない。日本を代表する選手が神戸にはたくさんいるので、後を継げるような選手になってほしい」

 これまで17人ものJリーガーを育ててきた米澤一成監督が太鼓判を押す理由もよく分かる。186センチ、75キロの恵まれたフィジカルに速さ、ボールタッチの柔らかを備えた規格外のアタッカーが、プロへの一歩を踏み出した。

 ポテンシャルとともに米澤監督が評価するのはメンタル面だ。

「良い意味でも悪い意味でも感じない。だからプレッシャーを感じないし、緊張しすぎない」(米澤監督)。

 1万8000人以上もの観客が訪れた昨年度の選手権開幕戦でも物おじせず、持ち味であるドリブルから何度も決定機を演出。得点には至らなかったが、能力の高さが評価され、大会後にはU-17高校選抜にも選ばれた。
 
 3月に選出されたU-18日本代表でも普段と変わらない動きを披露。チームメイトにもすぐ溶け込み、一発ギャグを披露するなど明るいキャラクターもサッカー選手としてやっていくうえで必要な要素と言える。

 神戸は選手権での活躍以降、ファーストチームチーフスカウト担当の亀ヶ渕幹氏が伊藤の動向を欠かさずチェック。3月と4月の2度に渡って練習参加に呼んだが、ここでも物おじしない性格が奏功する。

「高校生や大学生が練習参加すると、Jリーグのトップクラス相手に委縮してしまう選手が多いのですが、持ち味であるドリブルで突破していたし、アシストもしていた。まだまだ足りない部分はあるのですが、将来性があると改めて感じました」(亀ヶ渕氏)。

 すでにプロ水準のフィジカルを誇るが、成長途中でまだまだ伸びしろを多く残していることも伊藤の魅力だ。
 

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