ヤマルの“横取り”に激怒したラフィーニャ。番記者が明かすバルサ指揮官の「エゴは成功を殺す」発言の真相【現地発】

2025年09月27日 エル・パイス紙

ピッチ上でもロッカールームでもチームを支配しているかのよう

PKキッカーを巡ってひと悶着あったラフィーニャ(左)とヤマル(右)。(C)Getty Images

 ラミネ・ヤマル不在の間、バルセロナがラ・リーガのバレンシア戦(6-0)とチャンピオンズリーグ(CL)のニューカッスル戦(2-1)に連勝した。代表ウィーク期間中、チームを覆っていた疑念を払拭する意味でも結果を残す必要があった。

 論争に火をつけたのは、ラージョ・バジェカーノ戦後の「エゴは成功を殺す」というハンジ・フリックの発言だった。この言葉は、当初、ヤマルを念頭に置いたものと考えられていた。

 弱冠18歳でピッチ上でもロッカールームでもチームを支配しているかのように振る舞っているヤマルに対し、もっと地に足をつけさせるにはどうすればいいかと考えている者は少なくない。それはフロントも現場も同様だ。しかし、本人はまったく動じていない。

「偉そう?勝っている限り、誰も何も言えない」と、昨シーズン、バルサがインテルに敗れてCL準決勝敗退する前に口にした。2試合合計スコア7-6の死闘の末の痛恨の敗退だったが、ヤマルはモンジュイックでもサン・シーロでもチームを引っ張ったと自負している。
 
 ヤマルが他の選手たちにない特権を持っているのはもはや公然の事実だ。ただフリックがバジェカス(ラージョの本拠地)で発した言葉は彼に向けたものではなかった。ターゲットはラフィーニャだった。

 ヤマルとラフィーニャの関係は、常に非常に良好だった。実際、公の場でも愛情のこもったメッセージを送り合っている。

「僕が必要な時に、メッセージを送ってくれた。それは非常に長く、個人的な内容だった。僕にとって大きな助けになった。キャプテンで、ベテランで、重要な存在だ」と、ヤマルは昨シーズン、ラフィーニャについて語った。

 WhatsAppで何度かメッセージをやり取りした後、2人はひざを突き合わせて語り合った。「とても前向きな会話ができた。10歳の年齢差がある友人、仲間同士による会話だった。年上が年下を助けようとし、年下は素直に耳に傾けた」とラフィーニャは周囲に話していたという。

 ラフィーニャは、ヤマルの才能とハートの強さの両方を評価している。しかし、同時に自身のテリトリーを守りたいとも考えている。アンス・ファティの退団を受けて背番号10を要求しようとしたが、それは勝ち目のない戦いだと気づいて諦めた。

 しかし、ラージョ戦でその彼にとって譲れない境界線を越える出来事が起こった。

次ページ隣に座っていたチームメイトたちは驚いた

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