練習なしのぶっつけ本番。サンフレ塩谷司が“サプライズ起用”に見事に応える。指揮官は「Jリーグで一番のDF、同時に日本で一番のボランチ」と評価

2025年09月24日 野口一郎(サッカーダイジェストWeb編集部)

「残念ながら、シオタニは一人しかいない」

久々のボランチ起用に見事に応えた塩谷。写真:鈴木颯太朗

 サンフレッチェ広島は9月23日、J1第31節で柏レイソルと敵地で対戦。0-0で引き分け、勝点1を持ち帰った。

 この一戦で、広島のスタメンは少なからず話題を呼んだ。DF塩谷司、MF川辺駿、MFキム・ジュソン、FW東俊希など。主軸の3-4-2-1なら、塩谷とキム・ジュソンがCB、川辺はボランチ、東はウイングバックもしくはボランチが想定される。どんな布陣になるのか、発表直後からSNSでは"予想合戦"が繰り広げられていた。

 結果は、キム・ジュソンがCB、塩谷はボランチ、東はウイングバック、川辺はシャドーに入った。そのなかで目を見張るパフォーマンスを見せたのが塩谷だ。

 本来はCBで、ボランチでの出場は「1年前ぐらいだと思います。たぶん去年の夏ぐらい。覚えてないです」という36歳は、久々のポジションで見事に適応。守備ではセカンドボールの回収やボール奪取を披露し、攻撃でも正確な縦パスを繰り出す。

 58分にはFWジャーメイン良を狙って浮き球のパスを出すと、ボールはボックス内で相手DFの手に接触。VARが介入し、主審がオンフィールドレビューを行なった結果、ハンドは認められなかったが際どいシーンを演出した。

 攻守に活躍した塩谷のボランチ起用について、試合後にミヒャエル・スキッベ監督はこう述べた。

「シオタニがJリーグで一番のディフェンダーというのは間違いないと思いますし、同時に日本で一番のボランチだとも思っています。残念ながら、シオタニは一人しかいないので、どっちかで使うしかできない状況です。どこで使っても彼のパフォーマンス、活躍ができると思っています。彼がサンフレッチェにいてくれ、すごく嬉しいです」

 そして「まだまだ31歳なので、これから何年もプレーしてくれると思います」とほほ笑んだ。
 
 では、ボランチ起用を本人はどのように感じていたのか。塩谷は試合当日に突然告げられたと明かす。

「(チーム練習でも)一回もしていないです。今日の昼に聞きました。全然こういうのでビックリしなくなりました。スキッベさんは、そういうことをする方なので。『あ、そうか』みたいな」
 
 自身のプレーについては「久々だったので、特に守備のところで『これで合っているのかな』と思いながらプレーしていました」とし、こう続ける。

「守備ではセカンドボールを拾い二次攻撃、三次攻撃と行けるように。あとは相手のカウンターを受けないように意識していました。柏さんがやりたかったことは、やらせないようにできたと思います。やられてしまったこともありましたけど、試合を通じては上手くできたかなと。

 考えてプレーするタイプではなく、周りに合わせるのを意識しているので。どうすれば周りの選手がやりやすいか、良いプレーができるかは常に考えながらやっていますけど、あまりサッカー理論とかは疎いので。そこまでは意識していないですね」

 また指揮官の"31歳発言"に関して報道陣から水を向けられると、「そういうことを言うので、あの方は役者ですよね、少しは労わってほしいです」と笑顔を見せた。

 チームは直近4戦は無敗だが、3試合連続の引き分けで、首位の鹿島アントラーズとの勝点差は9に開いた。柏戦での無得点について塩谷は「できるところに関しては、何が足りないって言われたら、その答えを持ってないので、シュートを打ち続けるしかないじゃないですか」とコメントした。

 広島は次節、27日にアビスパ福岡と敵地で相まみえる。

取材・文●野口一郎(サッカーダイジェストWeb編集部)

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